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2014年10月22日 前へ 前へ次へ 次へ

動き出した日本の無電柱化

 自宅の前の電線にカラスや小鳥がたくさんとまりフンを落とすので、東京電力に相談したら、ひと月くらいたってから、鳥がとまれないように対策してくれた。ただこの対策実施は、"請求者の家の前に限る"とのこと▼こんなフン害防止が主目的ではないが、自民党が「無電柱化推進法案」の素案をまとめた。電柱の新設を抑制し、既存の電柱を地中に埋める期間や目標を盛り込んだ計画を国土交通省が策定する。都市の景観を美しくし、地震で電柱が倒れて通行の妨げにならないようにというのが趣旨▼無電柱化は、欧米やアジアの主要都市に比べ、日本はかなり立ち後れている。ロンドン、パリ、香港の無電柱化率は100%、シンガポール、台北も90%を超える。これに対して東京23区と大阪市はそれぞれわずか7%と5%である▼都道府県別に見ると、0-1%が37道府県、国全体では1%。電柱は全国に約3500万本あるとされ、毎年7万本のペースで増えている。これに歯止めをかけようという目論見だ▼課題はもちろんコスト。電柱を立てるのとはケタが違う。費用負担をどうするかなど制度設計も簡単ではない。それでも進めるというのだから、東京五輪なども視野に入っているのだろう。個人的には、電線が醸し出す生活感たっぷりの雑然さが嫌いではないが。


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