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投資家との「協創」で企業価値向上を
経済産業省は、約1年をかけて議論した「持続的成長への競争力とインセンティブ-企業と投資家の望ましい関係構築」プロジェクトの最終報告者を公表した。日本企業は世界でもトップクラスのイノベーション創出力の持ちながら、低収益体質から脱し切れない原因を分析。そして企業と投資家の「協創」によって、持続的企業価値向上への挑戦を求めた。
日本企業は長期戦略に基づいた設備投資や人材育成を実行してきたと言われる。しかし1990年代からの業績低迷によって、資本コストに見合う収益力を確保できない企業が続出しているという不満が投資家から寄せられている。これは自己資本利益率(ROE)が、欧米企業を下回っている事実からも明らかである。
ROEの改善は、事業の収益力をいかに高めるかが課題と指摘した。目先の業績に振り回されず、腰を据えて新規事業を生み出してきた日本企業だが、このところ資本効率に対する認識の低さや経営トップが比較的短期に交代することで、長期的なイノベーション創出に向けた投資が減少傾向にある。一方で、アナリストは四半期業績を重視するなど、投資家サイドも短期志向の傾向が強まっている。
報告書では、8%を上回るROEを確保すべきと強調するとともに、企業の持続的成長は長期的視野を持つ投資家との協創を求めた。企業は公約したROEの目標を着実に達成することが、企業と投資家の信頼関係構築につながるという。
日本では投資家の影響力が比較的弱いこともあって、一部企業では、投資家向けに提供する情報と社員を対象にする経営目標が違うというダブルスタンダードが存在しがちだ。このため企業と投資家の「対話・エンゲージメント(約束)」を通じた企業価値向上への取り組みに課題が多いと分析した。
日本でもIRミーティングなど投資家向けの情報提供の機会は増えているが、今後求められるのはバランスシートやキャッシュフローに踏み込み、長期的視点に立った議論を求めた。この観点から、資本コストの考え方や内部留保の使途などに関する企業の方針を、投資家に伝える透明性の高い情報提供が迫られる。企業と投資家の対話は「緊張と協調」に基づいて実施すべきだろう。
先ごろ制定された企業の株式を保有する機関投資家向けの行動規範「日本型スチュワードシップ・コード」も、新たな企業価値の持続的な創出に貢献するだろう。企業と投資家の利害対立的関係を乗り越え、21世紀の資本主義にふさわしい関係構築を期待したい。