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実効ある中国の模倣品対策が必要だ(既報)
模倣品による被害撲滅に向け国際的な取り組みが動き出しているが、規制当局の監視の目をかいくぐる巧妙化、悪質化も目立つ。とりわけ中国での被害は突出している。イノベーション創出の努力に対して、第三者がただ乗りすることは許されない。製品の安全を損なう事例もあり、実効ある対策が急務だ。
国際商工会議所(BASCAP)は、2008年の世界における模倣品の被害額は6500億ドル(約65兆円)と推定している。対策を講じないと、15年には1兆7700億ドル(約177兆円)まで広がると予想する。
経済産業省を中心に知的財産権に関係する省庁が発行している「模倣品・海賊版に関する年次報告」によると、日本企業の知財別の被害相談件数では商標権侵害が最も多く、次いで不正競争行為、著作権、特許権、意匠権の順という。中国で被害を受けている件数が圧倒的に多い。韓国や台湾が続き、ASEAN地域の被害も増加しているが、模倣品被害対策は中国抜きには効果がないのが実情だ。
中国は世界最大の模倣品拠点として国際的に批判が集中している。製造・販売地域は上海市、江蘇省、広東省など沿岸部だけでなく、中国東北部や内陸部にも広がっている。また13年の日本税関による知財侵害物品の輸入差し止め件数は約2万8000件、その92%は中国から持ち込まれたという。
しかも中国の模倣品は一段と複雑化、悪質化しているという。外形には商標を付けず、一見権利侵害ではないように見せかけながら、電源を入れると有名ブランドが表示される液晶テレビ。一部の自動車用エアバッグは安全基準を満たしておらず、膨張する際に部品が飛び散り、人を傷つける危険性のある製品も摘発された。
日本企業が被害を受けた手口も巧妙になっている。具体的には「見た目はそっくりに作り、商標を付けずに販売」、「中身と包装やロゴシールを別々の場所で製造し、販売時に合わせる」、「摘発を逃れるために在庫を貯めず、次々に出荷するため在庫を押収できない」、「ウェブサイトが削除されても、別のサイト上で模倣品の販売を繰り返す」などが指摘されている。インターネットの普及も模倣の悪質化につながっており、一度処罰されても再犯行為が後を絶たない。
日本政府は、中国と知財保護に関する4つの覚書を交換して模倣品撲滅の取り組みを強化した。日本は「偽造品の取引の防止に関する協定」を世界に先駆けて締結しているが、中国政府や日本の産業界との連携で、より実効ある模倣品対策を推進してもらいたい。