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米化学大手 「変身」へ最終段階 祖業も分離、大胆な転換
米国の化学大手を軸とする化学産業の再編が大きなヤマ場を迎えている。デュポンの機能性化学品分社化や機能性材料事業の一部売却、ダウ・ケミカルが発表した総額50億ドル規模の事業撤退により、米国の化学産業は事業構造が一段と変わる。汎用性が高い石油化学はシェールガス・オイルなどコスト競争力の裏付けが必須になる。ダウは市場密着型事業を世界的に展開、景気循環に左右されない企業体質の構築の仕上げに入った。デュポンはサイエンスカンパニーの道をひた走る。米化学大手の変身は世界や日本の化学産業に影響を与えそうだ。
ダウは2000年代後半に「Beat the cyclical」(アンドリュー・リバリス会長)を目標に、資産軽量化、市場密着型で景気循環が少ない事業の拡大を打ち出し構造転換に取り組んできた。シェールガス・オイル開発にともなう石油化学への投資が加わったが、基本的に方針は変わっていない。年商50億ドルにのぼり「ダウのDNAの核」(ダウ・ケミカル日本)で祖業でもある塩素事業撤退はそれを裏付けるもので、リバリス会長によるダウ改革の総仕上げの一手でもある。
塩素事業の切り離しは今後1-2年で行うが、具体化すれば汎用製品(石油化学)、市場密着型事業の売上高比率は1対3になる。全売上高の25%を占めることになる石化では北米と中東での投資に関心が集まる。総額40億ドルを投じてシェールガス・オイルを原料に、既存エチレン設備の増設などを行うとともに、テキサス州フリーポートで年150万トンのエチレンセンターの新設に乗り出している。サウジアラビアではアラムコとの合弁「サダラ」で総額125億ドルという大型計画を進めている。
両プロジェクトが完成すれば、シェールガス・オイルの競争力を背景とした北米拠点で北南米市場をカバー、サダラが欧州、アジア市場に供給する構図が整う。
一方、市場密着型事業は旧ローム・アンド・ハース(R&H)を主体とする電子材料、水処理、包装材料、農業科学の4事業部門からなる。この4分野では研究開発をベースにしたイノベーションによる事業拡大が軸になる。とくにメガトレンドに直結する農業科学では年間12億ドルの全社研究開発投資の3分の1が投じられている。
高機能化学品事業を分社化するデュポンの構造転換は、ダウとは性格が少し異なる。景気循環の点では共通点があるが、新会社の株主はデュポンと同じで、稼ぎ出したキャッシュを当該事業のイノベーションに注ぎ込める体制に再編成するのが狙いだ。
同事業は11年にはセグメントトップの21億ドル強の営業利益をあげている。12年には農業科学にトップを譲ったものの、18億ドル強の利益を計上している同社のキャッシュジェネレーター。分社化発表直前の第3四半期までの決算でも10億200万ドルの税前営業利益を稼いでいる。しかし、メガトレンドを追い、サイエンスカンパニーとしての地位を確固としたものにしようとする同社にとって、収益力に見合った投資を行いにくいという側面があった。「デュポンにも新会社にも、株主にもウィンウィン」(デュポン日本法人)というのが同事業の分社化だ。
同社は高機能素材部門でも自動車の合わせガラス用ポリビニルブチラール(PVB)中間膜事業を含むビニルアセテート事業をクラレに売却しており、サイエンスカンパニーを名実ともに体現する最終局面に入っている。(松岡克守)