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2011年10月12日 前へ 前へ次へ 次へ

被災地の農業再生に植物工場活用を

 東日本大震災の被災地で農業の復興が大きな課題となっている。震災で多くの農業従事者が被災し、これを契機に廃業する農家が出始めている。もともと農家は高齢化しているうえに、再建には大きな資金と労力が必要となる。地割れや液状化、塩害の被害を受け、水路なども破壊された農地を復旧させるには時間もかかる。さらに、福島第1原発事故が追い打ちをかけている。放射能汚染地域の農産物は買わないという消費者も多く、検査で安全性が証明されても風評被害が後を絶たないという深刻な事態が続いている。
 こうした被災地での農業再生の一案として「植物工場」の活用が考えられる。植物工場は、コンテナのような密閉型と、ビニルハウスのような太陽光利用型の2種類に大別される。さらにそれぞれに水耕式と土耕式がある。水耕式は放射性物質の影響はないし、土耕式も安全性の高い地域から持ってきた土などを利用すれば放射能汚染の恐れはない。いずれの方式も無農薬・減農薬の安心安全の野菜として付加価値をつけて販売できる。
 化学メーカーを含めて産業界から植物工場に参入が始まっている。これまで農業に携わったことがない素人でも指導を受ければ栽培することができるという。多段式の場合、栽培棚を上に積み上げていくことで栽培スペースが広がる。つまり"畑"が上に増えていくのだ。工場や事業所の空いた場所などわずかなスペースでも設置することができる。しかも季節や天候の影響を受けずに年間を通じて計画生産できるので、6次産業としてチャレンジしてみたい人にも提案できる。
 植物工場を普及させるうえで当面の課題は、イニシャルコストとランニングコストだ。農林水産省では、2009年度補正予算で茨城県つくば市など全国6カ所に植物工場のモデル施設を建設した。太陽光や情報通信技術を活用し、野菜重量当たりの生産コストを3割縮減できる栽培管理技術を目指している。露地栽培に競争力ある価格で提供できるようになれば、植物工場の本格的普及がより現実味を帯びてくるだろう。同省では施設の展示や人材育成に関して引き続き事業を継続していく方針で、12年度予算要求に盛り込んだ。今後の成果を期待したい。また、植物工場を普及させるためには、初期投資にかかる費用の負担も大きい。行政には投資に対する助成など様々な支援も望みたい。
 太陽電池やLED照明を用いることで環境負荷が小さいことも大きな魅力になろう。ただ、こうした製品はまだまだ高価だけに技術開発の支援も惜しまないでほしい。


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