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【震災とサプライチェーン】(13) カー黒
需給タイト化も
車需要、想定より早く回復
自動車が主力用途の1つであるカーボンブラック(カー黒)。「エコカー減税などが追い風となり、リーマン・ショックの呪縛から完全に脱した」(大手メーカー首脳)その矢先、東日本大震災が発生。カーボンブラックにとって「過去に例のない事態」が生じる。東北地方の2工場が被災し、そのうち1つは再建を断念。さらに、自動車関連産業も被災したことで「当面の需要減退は避けられない」とし、業界団体のカーボンブラック協会は今年の需要見通しを下方修正した。ただ、自動車需要は当初の想定より早く回復に転じていることから、需給バランスがタイト化し、日本向け海外生産の拡大に拍車がかかる可能性が出てきている。
※最大手工場が被災※
昨年、カーボンブラックの生産は3年ぶりに増加するとともに、出荷もすべての月で前年を上回る好調ぶりだった。今年に入ってからも同様の傾向で推移していた。
しかし、3月の震災発生で状況が一変する。国内最大手である東海カーボンの石巻工場(宮城県、写真=被災前)に加え、三菱化学の小名浜工場(福島県、日本化成に生産委託)が被災し、操業停止を余儀なくされた。その後、石巻工場は年内の生産再開を目指す方針を打ち出したものの、小名浜工場は再建断念を決定している。
これにより、国内全体の生産能力は12%程度ダウン。こうした状況が需給環境にも反映しており、今年1ー6月実績(カーボンブラック協会まとめ)では、生産量が前年同期比3・9%減、出荷量が同2・2%減となり、これまでの勢いにブレーキがかかった。3月だけをみると、生産量が09年10月以来の2ケタ減となったほか、出荷量も16カ月ぶりに前年を下回るなど、震災の影響が如実に表れている。
※同業フル稼働継続※
主要各社は被災による操業停止分を補うため、稼働率を大幅に引き上げた。なかでも被災地に近いキャボットジャパンの千葉工場や旭カーボンの新潟工場は現在もフル稼働を継続しているほか、キャボットグループは中国・天津工場などからの輸入も実施し、「9月いっぱいは、こうした状況が続くのでは」との見方を示している。
一方、震災後しばらくは需要そのものも落ち込んでいたため「需給バランスは何とか保っていた」が、主力の自動車関連需要が当初の想定を上回るスピードで回復基調に転じつつあることから、急速に需給がタイト化する可能性が出てきた。各社は安定供給を確保するため海外での生産を強化している。実際、5月の輸入実績(貿易統計)をみると、前年同月比171%増と2倍以上の大幅な伸びを示している。
※輸入対応に限界も※
石巻工場と小名浜工場の生産能力は合わせて年9万トンで、石巻工場が再開する年末までは、この規模の能力が不足することになる。現時点で需要が本格回復にいたっていないほか、主要各社が安定供給に全力を挙げていることから大きな影響は顕在化していない。
しかし、中国やタイをはじめとするアジア需要が拡大を続けている現在、海外拠点から日本に製品を振り向けることに限界があるのも事実。少なくとも石巻工場が再開する年末までは厳しい需給環境が続く見通しで、国内メーカー各社は厳しい舵取りが迫られそうだ。
(随時掲載)