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『震災とサプライチェーン』化学品需給を追う カ性ソーダ
タイト長期に、コスト二の次で供給確保
カ性ソーダも東日本大震災で大きな影響を受けた化学品の1つだ。震災直後は国内で電解設備を保有する26社32工場(ヴイテックは3月末に撤退)のうち、東北、関東の6社7工場が停止した。7工場の推定能力は月産12万トン。定修中だった工場を含めると合計15万トンで、国内全体の約3割に相当する設備が瞬間的に止まったことになる。
※電話鳴りっぱなし※
煙突のあるところには必ず使われるといわれるほど幅広い用途を持つカ性ソーダは、供給が停止することで与える影響も甚大。このため、顧客サイドの混乱は極めて大きく、電解製品メーカー以外でも、「当社の顧客から(親会社の)カ性ソーダの窓口を紹介してくれとの電話が鳴りっぱなしになった」(電解メーカー子会社)との声が聞かれた。
震災から1週間後には4工場が再稼働し、次亜塩素酸ソーダなどのサプライチェーンが回復したが、カ性ソーダのタイト感は続いた。とくに、北関東から福島にかけての地域への供給は厳しかった。「同地域のタンクは津波や震災被害の影響を大きく受けており、カ性ソーダがあっても持っていく場がなかった」(電解大手)。しかも、ローリーが用意できてもガソリンが不足し、さらには福島の原子力発電所の事故が追い打ちをかけ、運転手が行きたがらないという事態も発生したようだ。「取りに来られるところには工場まで取りに来てくれとしかいえなかった」(西日本のメーカー)。
※緊急で固体品活用※
こうしたなか、固体カ性ソーダの活用も行われた。通常の液体カ性ソーダは半分が水だが、99%まで高めた固体品を持ち込み使用前に水に溶かすもので、工場の操業を維持するために顧客サイドが緊急対応として実施した。
当時の玉不足を象徴しているのが、3月下旬に東京都の水道局が実施したカ性ソーダの入札。このとき一部の物件は応札者がゼロとなり、他物件応札者に対応が求められることになったという。また、サプライヤーを困らせたのが、「多様な顧客から緊急の要請がきたが、全体の玉が不足するなか、出荷に優劣をつけようがなかったこと。結果として当社に近しい顧客に重点的に出荷するほかなかった」(西日本のメーカー)。
※契約輸出量も削減※
ただ、電解業界にとって、かつてない混乱した状態にあって、「当社が把握している限り、カ性ソーダの供給不足によって操業停止にいたった顧客はない」(電解大手)。応援出荷を含めて各社が最大限の出荷努力をし、多大なペナルティーを払ってでも契約輸出量を大幅に削減したり、被災メーカーでも市況が急騰するアジアからスポット品を輸入するなどして、コストを省みずに供給責任を全うした結果だ。これは関連メーカーが誇るべき成果といえるだろう。
その後、被害の軽重に応じて徐々に工場が再稼働し始めたが、国内有数の電解拠点の1つである鹿島電解の立ち上げが6月中旬までずれ込んだこともありタイト感は継続した。夏場にかけてはもともと定修シーズンでもあったため、輸出を回復できないまま夏を迎えることとなった。
震災後のリスク管理の強化については、電解製品は地場の需要に応える事業形態が一般的であり、多くのメーカーにとっては手の打ちようがないというのが実態だ。ただ、顧客サイドとしてはカ性ソーダに限らず、さまざまな製品について第2、第3の調達ルートを確保して万が一に備えるという動きが、とくに東日本において顕著になっている。
(随時掲載)