スズキ、自動車部品用PPの耐傷つき性4倍向上、内装向け適用拡大

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 スズキは、ポリプロピレン(PP)の大幅な耐傷つき性向上を実現した。スチレン量の異なる2種類の水添スチレン系エラストマーの配合により、既存PPの4倍、独自開発した「スズキ スーパー ポリプロピレン(SSPP)」に対して2倍の耐傷つき性を達成した。透明度が高く、着色化も可能。今回の特性向上によりシボ形状の自由度を高めたことから、内装部品などで適用部位の拡大が見込める。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂製塗装部品の置き換えを視野に入れて研究開発を推進する。

 PPは安価で物性バランスや成形加工性に優れることから、バンパーやトリムといった自動車内外装部品で多く採用されている主要樹脂素材。近年では車体軽量化ニーズの高まりを背景に、物性改良によるさらなる軽量化などによって適用部位が拡大している。また、環境負荷低減や低コスト化から自動車部品の無塗装化が進み、PPも着色化要求が高まっている。
 同社はホモポリプロピレン(h?PP)に水添スチレン系エラストマー(SEBS)を添加することで、タルクなどの無機充填材を使用せずに従来材と同等の機械物性を実現したSSPPを開発している。添加剤の最適化と成形技術の改良による独自の無塗装化との組み合わせにより、従来に比べて約10%軽量な高輝度シルバーメタリック色のスキッドプレートを実用化している。SSPPは高い表面硬度により無塗装化を可能とする耐傷つき性を有しているが、浅シボのような鏡面に近い形状に可能なレベルには達していなかった。
 新開発のPP樹脂は、SSPPで確立したh?PP/SEBSブレンド系の材料設計を応用した。スチレン量12%と同30%の2種類のSEBSを最適配合することで、大幅な耐傷つき性の向上を達成した。同社が実施した碁盤目引掻き試験では、傷深さでアクリルウレタン系溶剤の塗装と同等レベルを実現するとともに、明度変化がほとんどみられないことを確認している。
 今回の開発材ではシャルピー衝撃強さが目標値を下回っている。今後、SEBSの種類や添加量など配合処方の最適化に取り組んでいく。

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このページは、web staffが2012年7月23日 19:38に書いたブログ記事です。

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