金属加工機械メーカーの寿産業(小樽市)は、特殊ニッケル合金を応用した抗菌繊維を開発した。神戸製鋼所の抗菌性特殊ニッケル合金メッキを特殊技術により粉砕することで4マイクロメートル以下の微粉化に成功。これを練り込んだマスターバッジからポリエステル原糸を製造するもの。また、4マイクロメートル以下の抗菌剤を付与する接着技術も開発しており、両技術によるフィルターは抗菌試験や通気性試験などで優れた性能を確認している。同社では、カーシートやカーエアコンフィルターとして実用化に取り組んでいく。
同社は、圧延用ローラーガイドの製造で国内トップシェアを有する産業機械メーカー。年には保有技術を活用して環境関連分野へ進出し、廃タイヤリサイクル機器や微粉砕ゴム製造プラント設備といった各種装置を展開している。抗菌繊維はこれら事業で培った技術を応用して開発した。
抗菌剤の特殊ニッケル合金は、神戸製鋼所が抗菌メッキ技術「ケニファイン」として展開しているもの。同合金は複数の微量元素の添加によりニッケル単体に比べ抗菌効果を100倍以上に高めるとともに、ニッケル自身の溶出量を無害なレベルまで抑制しているのが特長。神戸製鋼から技術ライセンスを受けたメッキメーカー・札幌エレクトロプレイティング工業が原料となる抗菌メッキを製造し、それを粉砕して使用している。
マイクロメートル以下の抗菌剤を練り込んだマスターバッジから製造した繊維は、表面の水分層に抗菌イオンが溶出し、酸化力の強い活性酸素やOHラジカルを生じることで抗菌性を発揮する。また、繊維とともに外部の技術支援を受けながらカーシートやカーエアコン用フィルターといった最終製品の研究も進めており、抗菌剤の接着技術を併用することで効果および効率に優れるフィルターを開発している。現在、PET樹脂への練り込み技術確立のための開発を進めており、抗菌繊維を用いたカーシート向け製品の製造も計画している。

コメントする