住友ベークライトは、欧州においてフェノール樹脂のケミカルリサイクル設備導入の検討を開始した。英国の建材メーカーが展開するフェノール系発泡断熱材の需要拡大を環境面から後押しするため、リサイクルの体制を整備する。将来的には自動車部材の循環型リサイクルなどへの展開も念頭に置く。同樹脂のケミカルリサイクルは現在、日本の静岡工場で自動車部材関連で顧客との実地試験を進めており、この取り組みの成功が確認された後にベルギーにも設備を導入する考え。
同社のケミカルリサイクル技術は超臨界流体技術を応用したもので、3次元に架橋したフェノール樹脂を短い反応時間で分解し高収率で化学原料として回収する。現在、月産30?40トンの処理能力を持つ静岡工場の実証プラントで、特定の自動車部材メーカーと協力して試験を進めており、年内の事業化を目指している。
一方、ベルギー子会社の住友ベークライトヨーロッパ(SBE)では近年、発泡断熱材向けが好調。同用途を手掛ける英国の建材メーカー向けの出荷量が大きく伸び、タイヤ向けとともに同地域の成長を牽引する用途となっている。フェノール樹脂系発泡断熱材は、外張り断熱として使用するもので、優れた断熱性能により冷暖房熱費の大幅削減に寄与する省エネ対応製品として需要が拡大しているが、使用後の処理についてもリサイクル技術を確立し、より欧州の顧客に受け入れられやすい体制を構築する。
発泡材のリサイクルは、英国の建材メーカーとの共同開発案件として進める。ベルギーで発泡断熱材のリサイクル技術の開発を進めることで、同国から環境技術に対する助成金も取得したい考え。日本で先行する自動車部材のリサイクルも海外に広げる方針で、必要に応じて欧米それぞれに静岡工場と同様の設備導入を検討していく。

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