住友大阪セメントは、ロストワックス精密樹脂成形法(LWIM)に対する引き合いが急速に高まっている。中空構造を持つような複雑な形状のエンジニアリングプラスチック成形品を安定した寸法精度で、しかも比較的短時間で一体成形できることが評価され、自動車や半導体装置、エンジニアリング関連からのサンプル要請は極めて強い。液体・気体などの流体を搬送する配管、継手、バルブからの立ち上がりを見込んでおり、2010年度中の月間出荷量50トン(外殻樹脂量換算)が視野に入ってきた。当面、10件以上の採用を目指して顧客層を広げていく方針。
LWIMは、セメント会社としての無機材料に対する知見を生かして開発したもの。共同開発会社である稲畑産業がマーケティングや製品窓口を担当、住友大阪セメントが中子用樹脂素材を提供し、稲畑産業の子会社であるアイ・アンド・ピーが成形加工を行う。
各種無機フィラーと特殊な樹脂からなる中子樹脂を蒸気式オートクレーブにより高温、高圧条件で加水分解を促進させることで複雑形状の成形を可能とする。従来法に比べプロセスがシンプルで、成形サイクルは数時間に短縮される。従来法では形状によっては中子が溶け出すのに1週間以上かかることがあった。中子樹脂は汎用エンプラ用とスーパーエンプラ用の2種類をラインアップしており、熱変形温度が110度C以上、成形温度が350度以下の樹脂に対応できる。金属精密鋳造部品の樹脂化も狙う。
08年11月に投入以降、市場での注目は高まっており、LWIM担当者への講演依頼も増えている。複雑な曲げ形状や分岐形状を持った樹脂管材で、しかも樹脂溶着による継ぎ目を嫌う用途は数多い。2メートルほどの大型品の成形も可能なため、ボートの部材のような用途も想定する。月間50トンの出荷を実現した後も、「その3倍程度には拡大したい」(同社)としている。

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