樹脂・金属一体成形技術、一大ブームの兆し、高気密・軽量化を実現

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 射出成形による樹脂・金属の一体成形技術の開発・実用化が積極化している。6月24日から東京ビッグサイトで開催された機械要素技術展では、先行する大成プラスに加えて日本軽金属とコロナ工業が独自技術を展示し来場者にPRしていた。同一体成形技術は単に樹脂と金属を接合するだけでなく、従来の製造法に対して大幅な工程簡略化が可能。新工法により工程やコストの大幅な削減を実現した製品も登場しており、今後の普及が注目される。

 現在、開発されている金属・樹脂一体成形技術は、いずれも金属材料の表面にナノレベルの凹凸構造を付与し、そこに射出成形で樹脂を成形するもの。樹脂を微細孔の奥深くまで入り込ませるため、アンカー効果が働き金属と強固に結合する仕組みとなっている。密着強度が非常に高く、衝撃を与えると金属が変形するか、樹脂が破壊されるかのいずれか。金属表面に樹脂が入り込み固化するため、収縮エネルギーの働きにより0・6メガパスカル程度の気密性が得られるといった特徴も有する。
 現在開発されている技術の違いは、採用している表面処理方法にある。樹脂加工メーカー・大成プラスのNMT(ナノ・モールディング・テクノロジー)は、特殊溶液に浸漬処理(T処理)することで金属表面にナノレベルの凸部を形成しており、適用可能な金属材料の種類が豊富であり金属メッキにも適用できるといった特徴を持つ。一方、アルミ圧延メーカーの日本軽金属とエンプラメーカーのポリプラスチックスが共同で開発したパルフィットは、特殊なエッチング処理によりアルミ特化した仕様となっており、使用するアルミ合金の開発から手掛けるのが強みだ。
 また、アルミ装飾品メーカーのコロナ工業(横浜事業部)が開発したアルプラスは、アルミ表面に直径約40ナノメートル?100ナノメートルの微細孔を有する電気皮膜を形成する。接着が困難なエラストマー(TPEE)を含め適用可能な樹脂の種類が豊富なほか、既存事業で培った技術ノウハウをもとに接合製品のアルマイト処理までをフォローする。
 すでに携帯電話や家電製品などで同技術を応用した製品が開発されている。また、今後も電気電子部品関連で各種筐体の低背化や薄型化、軽量化をはじめ2次電池の端子気密性確保といった用途への展開が見込まれるほか、自動車部品では絶縁部の気密性確保や部品点数削減による軽量化などが可能とみている。
 同技術のメリットとして、とくに注目されるのがその生産性。アセンブリー用のパーツ強度を確保できるため、プレス加工された金属材を金型にインサートして樹脂を射出することで、複雑な樹脂パーツの成形とともに製品の組み立てを1工程で可能とすることから、その応用により「インジェクション・アセンブリーという新しい産業の可能性がある」(大成プラス・成富正徳社長)。
 すでに大成プラスでは亜鉛の鋳造品だった車載用ECUボックスに適用し、筐体の素材をアルミのプレス品に置き換えることで重量を3分の1に、生産コストを50%へ低減することを実現、各自動車メーカーに採用されている。また、コロナ工業でもデジカメキャビに適用することで、従来に比べて6?10工程の工程短縮化を達成している。
 NMTについては、プレスや射出成形の技術を有するメーカーであれば、過大な投資を必要とせずに技術導入ができるという。そのため大成プラスでは積極的にライセンス供与する考えであり、技術の普及によってモノづくりの現場が変わっていく可能性がある。

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このページは、web staffが2009年7月 2日 16:55に書いたブログ記事です。

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