新日本製鉄は、小径熱間圧延電縫(SR)鋼管の肉厚化に成功した。既設圧延機に傾斜配置させたツイスト圧延技術を導入することで、極厚肉サイズでの鋼管内面形状の改善と厚み精度(偏肉率)の大幅な向上により量産化を実現したもの。新技術により板厚外径比を従来の26%から33%へ向上し、引っ張り強度(断面積)の15%アップを達成した。自動車部品に適用した場合、従来のSR鋼管に対して10%程度の軽量化が可能となる。同社では、自動車足回り部品などの軽量化素材として拡販を図る。
SR鋼管は、外径の大きな電縫鋼管を熱間で縮径圧延したもの。板厚外径比が大きく伸びなどの加工性に優れることから産業機械用などの幅広い分野で採用されている。車体軽量化ニーズの高まりを背景に自動車部品では部材の中空化が進展しており、SR鋼管についてもより強度の高い製品が求められている。
同社では、昨年4月にSR鋼管製造工程の増強工事を実施し、既存の圧延機に7台のツイスト圧延機を増設することで従来の6角形から12角形へと内面多角化を図った。これにより圧延による厚みのバラつきを改善するとともに、鋼管内面の形状を向上することで最大約33%の板厚外径比を実現したもの。
板厚製造可能な板厚範囲の拡大と寸法精度の向上、さらには強度アップにより従来のSR鋼管製部材に対して小径化が可能になった。また、価格的にシームレス鋼管より5?10%安価なことから、これら鋼管の代替を図っていく考え。すでに諸性能の確認およびユーザー評価を経て昨年秋に防振ブッシュ用に受注している。
同社では、圧延後にパイプをコイル状に巻き取ったPIC(パイプ イン コイル)での最長約1000メートルの長尺製品の供給体制を整備しており、ユーザーの伸管工程の効率化を含めて積極的に採用を働きかけていく。

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