日付検索

2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む

ニュースヘッドライン記事詳細

2015年07月28日 前へ 前へ次へ 次へ

機能性化学品は世界で存在感高めよ

 「顧客との擦り合わせを通じて課題を解決し、独自の付加価値を対価につなげる」―。そんな日本型の機能性化学品ビジネスが岐路に立たされている。とりわけ半導体材料、液晶ディスプレイ、リチウムイオン電池などエレクトロニクス分野では最終メーカーの地位低下につれ、素材や部材も新興勢力にシェアを奪われ始めた。成長分野で国内勢同士の競争に疲弊し、海外勢の後塵を拝することになった経験を教訓に、改めて世界に活路を見出すための戦略を練らなければならない。
 経済産業省は「機能性素材産業政策の方向性」と題する政策提言をまとめた。世界の機能性化学品の市場規模は約50兆円に上るが、このうち日本の化学メーカーが得意とする電池部材やディスプレイ素材は1割にも満たない。残りの9割以上は、塗料やインフラ関連などの建築用化学品、工作機械などに用いる洗浄剤、化粧品や機能食品などの原料だ。いずれも電子材料に劣らない市場規模で、潜在的に高い成長力を有する。
 こうした最終消費財に近い機能性化学品では、日本を含めたアジア勢の存在感は薄く、欧米化学大手が高いシェアを握る。得意事業を尖らせるための再編や買収を繰り返し、その分野で他社の追随を許さない事業基盤を世界各地で整え、成長の源泉にしている。経産省は、わが国の素材産業がさらなる成長を遂げるには、強みを持つ事業に経営資源をより集中させるとともに、これら欧米企業が独占する大型市場に積極的に挑戦することも必要だと指摘している。
 政策提言で興味深いのは自動車メーカーなどからのヒアリングの結果だ。欧米企業は開発した素材を用い、製品ができあがった状態で提案に来るが、日本企業はニーズを確認する「待ちの姿勢」が目立つ。ユーザーも将来のニーズを見通し難い不透明な時代。従来型の擦り合わせだけでなく、素材開発から付加価値提案までユーザーの何歩も先を行き、顧客価値や社会価値を自らが構想する、より創造的な研究開発が求められる。
 欧米勢の牙城に切り込むためには、素材開発に新たな潮流を取り入れることも必要になるだろう。経産省では、産業技術総合研究所に設置した人工知能研究センターを活用し、素材の設計や研究開発に人工知能やIoT(モノのインターネット)をいかに生かすか検討する。世界規模で事業を進めるうえで技術流出防止のマネジメント力や知財戦略の高度化も欠かせず、政府の役割も重要になる。官民一体で日本の機能性化学品産業の発展を前進させ、世界で存在感を高めてもらいたい。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.