2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
「化学工場の強靱化7」 現場に見る対応策
津波被害リスク最小限に
旭化成グループの延岡地区で原料を受け入れる旭化成新港基地(宮崎県延岡市)付近には、高さ15メートル超の津波避難タワーが建っている。タワーの上からは日向灘のパノラマが望めるが、同基地の谷崎義隆所長は「巨大地震が発生すれば、この海が荒れ狂う」と語る。
旭化成グループは日向灘に沿う形で延岡市と日向市の6地区に生産拠点を展開。同社社員と住民とは町で行きかえば気軽に声をかけあう間柄だ。M9規模の大地震発生時、この地には18分で15メートル級の津波が押し寄せると想定されている。岩場と砂浜が自然のまま残る海外線はウミガメの産卵地として著名で、「防潮堤の建設は非現実的」(山本卓也延岡支社次長)のため、住民も受け入れる新港基地付近の避難タワーをはじめ、各工場で15メートル超の避難施設を指定した。
延岡支社は宮崎大学などの協力を得て、2種類の対策計画を策定。震度6弱を想定するレベル1はBCPを主眼とし、支社への情報集約、電力や水の確保など最短60日で復旧できる体制を構築した。だが、南海トラフ巨大地震を想定するレベル2は「避難が最優先。上司の指示を待たずに危険だと思ったら自分の判断で避難すべき場所を指定した」(山本氏)。化学プラントは地震計と連動した自動停止機構を備え、薬液漏洩防止策も多重化を図るなど保安面での対策も進む。
*破断ないタンク底*
大型タンク類は「津波には抵抗できない」(山本氏)とし、水に浮かんでも遠くへ流されないようタンクと土台をワイヤーで固定するとともに土台の形状を工夫し、強度のないタンク底が津波が引いた後に着地する際、破断しない工夫を検討中。また、新港基地では大型貯槽に重油を受け入れ貯留した後に工場にパイプライン輸送しているが、今夏にはブースターポンプと小型のバッファタンクを新設して送液速度を高める予定。「これにより荷揚当日の夕刻までには津波被害リスクのより低い工場側の貯槽まで重油を直送できるので、新港基地の大型貯槽は廃止とする」(山本氏)構えだ。
伊勢湾沿いにある三菱化学の四日市事業所(三重県四日市市)。中京地区は自動車や電子機器など、四日市事業所が製造する機能化学品のユーザーが集積している。四日市コンビナート内の企業間ではユーティリティー・原材料をパイプラインで融通し合っている。恵まれた事業環境といえるが、巨大地震が発生すれば一転、この利点がサプライチェーン寸断の危機にさらされる。
最も懸念するのは、地震発生後約?分で襲来する最大4メートルの津波だ。老朽化もあり既設の防潮堤は、巨大な地震動が発生すれば液状化に伴う地盤沈下により崩壊し、コンビナートの敷地の広範囲で浸水が予想される。そこで、「四日市コンビナート地域防災協議会として防潮堤の増強を早期に行うよう三重県を通じて国に要望している」(吉田一夫四日市事業所企画管理部長)状況。
このため、同事業所内では1〜2メートル浸水すると想定し、プラントの安全な停止措置に必要な窒素製造設備(浸水対策として嵩上げして設置)やプラント稼働に必要な廃水処理設備の更新に着手しており、近年中に完了する予定だ。人が常駐する建屋の補強、危険物タンクの設置地盤への地質改良剤の注入などの耐震対策も着々と進めている。
*補助金活用に課題*
補正予算で補助金支給の対象となった球形タンクの鋼管ブレース補強も昨年度1基実施した。2000キロリットルのタンクのブレース部のチャンネル鋼による補強とブレースの交差部分のボックスでの補強、脚柱部とブレース接続部のリングによる補強を、補助金支給対象期限の1年未満で施工を終えた。ただ、工法、耐震効果の評価や許認可手続きに時間がかかり、「昼夜兼行の工事で何とか間に合った」(吉田氏)格好だ。「工法や施工規模によっては1年以内に工事を終わらせるのは難しい」(吉田氏)など、単年度予算である補助金をどこまで有効活用できるかは不透明な部分も多いようだ。
【写真説明】三菱化学・四日市事業所の球形タンク