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2015年06月18日 前へ 前へ次へ 次へ

「化学工場の強靱化4」 全力挙げる大手

「BCP」最大のテーマに

 人命を守る。そしてハード、ソフト両面で事業拠点の被害を最小限にとどめた後、課題になるのは事業継続計画(BCP)の執行だ。東日本大震災の教訓を踏まえ、化学大手各社は東京本社が被災、機能がマヒしたことを想定して、西日本の拠点を中心に本社機能や営業機能を移転することを軸とするBCPを作成している。

*本社機能を移転*
 三菱化学は本社機能を水島事業所に移転させることを決めている。また、バックアップのサーバーなどは地震による揺れや津波被害が小さい北九州黒崎事業所に置いている。住友化学は「首都直下型の時は大阪に対策本部を立ち上げ、情報収集し、連絡するといった初動体制を取れるようにした」(丸山修執行役員)。
三井化学も「首都を震度5強以上の地震が起こったら大阪工場に緊急対策本部を設置して情報を集約、ユーザー窓口も各支店に移して顧客対応する」(出口敦生産・技術本部安全・環境技術部長)。旭化成グループでは「本社地区が被災し機能がマヒした場合、延岡に全社緊急対策本部を、ケミカルズの対応としては水島に代替の安全対策本部を立ち上げる」(成田睦夫取締役・常務執行役員)。
 生産、供給面の対策も進む。三菱化学では、東日本大震災による鹿島工場の停止で輸液バックや注射器など医療用機器に使われる特殊グレードのポリプロピレン(PP)や、電線用ポリエチレン(PE)が不足。「水島工場でも生産できるように設計は完了した」(唐津正典代表取締役専務執行役員)。
 三井化学は「ある工場でしか生産していないオンリーワン製品、シェアが非常に高い製品は2ケタを超える。設備の新増設を実施する時に分散は検討するが、増強計画がないものは現状の生産体制を維持するほかない。在庫の適正確保で対応しながら、同業他社の融通も検討している。すでに汎用品は千葉と大阪の工場で融通し合えることを確認ずみ」(石川聡生産・技術本部安全・環境技術部主席部員)。
*優先度を考慮し*
 旭化成ケミカルズの延岡では「致命的な被害を受けないこと、用役復旧の見通しを前提にしながら、どういうリスクがあるかを優先度の高い製品、設備ごとに明らかにして、事前にリスク低減を図るようにしている」(成田取締役常務執行役員)。インフラは「水力発電もあり、(九州電力からの)買電に頼り切らないユーティリティを持っている」(同)のが強み。さらに地下水をくみ上げ膜技術で浄化、自治体の上水レベルの水を供給できる「ライフスポット」を延岡をはじめ全事業所に設置、「いざという時には当該自治体との相談で、市民にも上水を供給できる」(同)体制を整えている。
 住友化学も「部門ごとに重要事項は何かを決めて、在庫の適正管理、重要サプライヤー、ユーザーリストを2007年に作成し、毎年見直している」(丸山修執行役員)。
 BCPにはビジネスがからむため複雑な事情もある。供給面のBCPには在庫などで(停止工場が再開するまでの)一定期間供給を確保する第1段階、他社の事業所の同製品がスペック認定を得られるようにする第2段階、さらに地震被害を同時に受けない距離に置いた複数拠点での生産の第3段階がある。三菱化学では新潟中越地震で不足が表面化したアルミナ繊維は坂出工場で生産できる体制を確立しているが、ユーザーが購買情報という企業秘密を明らかにできない事情を持った製品も少なくなく、第3段階までBCPが及んでいる製品は少ないのが実情のようだ。
(了)
(24日付から「化学工場の強靭化?現場編」(仮称)を掲載します)

【写真説明】三井化学は千葉と大阪の工場で相互融通できる体制を構築している
写真は市原工場(上)、大阪工場(下)


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