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「化学工場強靱化3」 全力挙げる大手
災害対策、投資負担重く
昨年5月、経産省から石油化学業界に届いた通達は、生産や防災関係者を驚かせた。通達の内容は高圧ガス保安法の改正で、石油化学産業には欠かせない球形タンクなどの安全対策の強化を迫っていた。最大のポイントは地震想定のガル数が、例えば神奈川県では従来の300ガルから600ガルに倍増していたこと、今後建設されるタンクだけでなく、既存のものにも600ガルに耐えうる強さの確立が求められていた点だ。
*厳格な耐震基準*
防災対策は各社とも、法規制強化への対応とともに自主的に耐震補強などを進めてきた。しかし、この通達は想定を大きく超えるため、業界から経済面で現実的でないとの反発が高まった。
経産省高圧ガス保安室では東日本大震災時のコスモ石油・千葉製油所の球形タンクの火災原因を分析、東海、東南海、南海トラフを震源とする地震想定の揺れの大きさから判断して、タンクの筋違補強、杭打ちによる基礎の耐震補強を柱とする対応策の強化を求めている。
石油化学コンビナートは20〜30基の球形タンクを持ち、高圧ガス保安法の適用を受ける。化学業界の想定では「鋼管ブレース補強が1基当たり数億円、基礎が同20億円」(三菱化学の唐津正典代表取締役専務執行役員)のコストがかかることになる。三井化学も「耐震性を評価して検討しているが工事には時間がかかり、同業者と同程度に相当なコストを要する」(出口敦生産・技術本部安全・環境技術部長)としている。
旭化成ケミカルズは2017年までに高圧ガス関係のタンクの保有量下げ、もしくは補強を行うことで新耐震基準の適応を図る。同社は「旭化成ケミカルズとして設備老朽化、陳腐化対策を中心とする維持投資を年間150億円から200億円かけているが、これに避難タワーやインフラの非常用発電機などを含め12年以降に年間50億円前後の投資を継続している。これに高圧ガス関係の投資が加わる」(成田睦夫取締役常務執行役員)。
通達の1つ目の要求事項である既存高圧ガス設備を最新の耐震基準に適合させる方法として、設備更新または本体・基礎の耐震補強工事が考えられる。しかし、事業を継続する前提での設備更新は新たな建設用地の確保が必要。本体・基礎の耐震補強は工事安全のために装置内を空にして行う必要があり、工事には1年程度が見込まれるため、事業継続が困難になるなどの懸念がある。
*リスク低減策も*
住友化学も「タンク内保有量を減らして軽くすることで、最新の耐震基準に適合させる方法も有効と考えている。千葉工場では東日本大震災以降、自主的に最新の耐震基準に適合するようにタンク内保有量を減らして対応ずみ。保有量の下げ幅は最大で60%に達しているものもある」(村礒肇レスポンシブルケア室環境・安全部長)。同社は小さいタンクは気密性・耐震性のある建物で囲い込む、地盤を固めて液状化対策を行うなどのリスク低減策も検討する。
通達対応の補強は経産省の補助金の対象で、昨年度は補正予算28億円が計上されている。今年も本予算で18億円が計上されており、企業も鋼管ブレースなどの補強時にこの補助金を申請、使用している例もある。ただ、単年度予算であるため耐震診断から工事完了までの工程と「マッチングしないケースが多い」(大手化学メーカー)との声もある。
(続く)
【写真説明】経産省は東日本大震災の被害を踏まえ、貯槽筋違の耐震基準の見直しを進めている