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インフラ老朽化対策 化学企業に商機(下)
ビジネスモデル構築
サービスを包括的に提供
「インフラのストック(補修、更生・更新、修繕、リフォーム)分野で材料・工法の開発・提供を通じて事業を主導的に展開する」と強調するのは積水化学工業の環境・ライフライン(LL)カンパニープレジデントである?見浩三取締役専務執行役員。住・社会インフラのストックマネジメントナンバー1企業を目標に掲げ製品、工法にとどまらず、施工、維持管理も加えた一連のバリューチェーンを包括的に提供する『エンジニアリングメーカー』を目指している。
同社は、硬質塩ビ製のプロファイルを老朽化した下水道管にらせん状に製管する老朽管渠更生工法「SPR工法」で約30年の実績を持つ。市場で先行するこのビジネスモデルを新規材料や他分野に展開し、あらゆるストック市場で事業機会の獲得を狙う。
*調査・診断含めて*
「最大のポイントは調査・診断の技術」(同)。定量的な評価をベースに、最良の設計・製品を提供し顧客にとって高いコストパフォーマンスにつなげる考え。高見プレジデントは「新しいビジネスモデルを構築して地方自治体やユーザーから理解を得たい」と意気込む。
事業拡大に向けて、優位性のある工法の開発にも絶えず力を入れる。下水処理場をはじめとする水処理施設の老朽化と効率化の対応など差別化した技術を用いて市場を開拓する。
協力会社の連携や業務提携など外部との関係強化を図るだけでなく「社内の人材も徹底的に鍛え上げる」(同)方針。滋賀栗東工場にバリューチェーン学校を4月に設立。バリューチェーンビジネスを支える人材養成を目的に、営業はセールスエンジニア、技術者は現場監督、施工に対応できる人材に育成する。
「施工には乗り出さず、化学メーカーとして材料供給に徹する」と主張するBASFジャパンの池田尚浩執行役員(建設化学品事業部ディレクター)。
80年代に公共インフラが一斉に老朽化を迎え橋崩壊事故などが頻発した米国や、ドイツのアウトバーンなどを中心に道路構造物の維持管理が行われてきた欧州では日本より老朽化策が先行。BASFは欧米のインフラ補修補強市場で実績を築いている。
BASFジャパンはグローバル展開するグループの強みを生かし、国内需要を取り込む構え。橋梁などの鉄筋コンクリートを簡易的に防食できる犠牲陽極材を近く上市するほか、耐凍結融解性を付与できる樹脂中空微小球も試験的導入を検討するなど、インフラ長寿命化に貢献する製品投入を予定する。
「自社で施工にも着手すればユーザーのニーズをくみ取れるが、施工メーカーと強いパートナーシップを構築している」(同)ことを強みとし、国内コンクリート用特殊混和材市場でシェア40%を占めるとみられる。日本市場で培った産官学とのネットワークも活用し、日本市場の開拓に一層取り組む考えだ。
*市場のけん引役に*
震災復興や20年の東京五輪に向けた公共投資の増加で、化学企業にとっても、収益の柱となる事業に育成する絶好の機会のようにみえるが、「国や地方自治体の予算に左右され、先を見通しづらい」との声が多いのも事実。施工業者が主導権を握る市場において成長戦略を描くことは容易ではない。
ただ、インフラを新設した前回の東京五輪とは異なり、補修・補強が中心となる今回はソリューションを提供できる化学産業の出番。化学企業が本腰を入れて取り組み、インフラ更新市場を牽引することが求められる。
(岩?淳一)
(了)
【写真説明】高度成長期に相次ぎ整備された高速道路の老朽化対策も化学産業にとっての出番