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2014年12月10日 前へ 前へ次へ 次へ

持続可能で分かち合う食を

 ホテルの宿泊プランや飲食店の宴会プランには、必ずといっていいほど"食べ放題"の宣伝文句が踊っている。デフレがこれだけ長く続き、所得がなかなか増えないなかでは、食べ放題は集客のための強力な切り札となっているようだ▼金額当たりの食材量が増えるので、客としては得な取引をした気分になるのかもしれないが、それは本当に得だろうか。健康を害したり、資源の枯渇につながったりして、長い目で見れば高くつくというのが現実ではないか▼都内の大学で、アラン・デュカス氏の講演会があった。いま世界でもっとも華々しく活躍するフランス料理のシェフだ。パリ、モナコ、ロンドンの3都市の三つ星レストランをはじめ、世界8カ国に27のレストランを展開している▼デュカス氏は、大量・安価に食材が調達される"食材のグローバル化"に懸念を持つ。彼のモットーは"地産地消""持続可能な食""分かち合い"である。そして、料理人は日々の糧を与えてくれる自然への接し方について考え、ひとつの方向性を示していく責務があると主張する▼食べ放題だけではない。食べ残し、食材廃棄の問題も決してこのままでいいわけはない。世相は"今だけ、金だけ、自分だけ"の色合いを強めている。"持続可能で分かち合う食"という言葉をかみしめたい。


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