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第5期科学技術基本計画に期待する
政府が2016年度から5年間の第5期科学技術基本計画の策定に動き始めた。イノベーション創出に向けた施策の推進機能を抜本的に強化することを目的に発足した「総合科学技術・イノベーション会議」のもとで策定される初の基本計画となり、産業界の関心は高い。消費増税後の停滞から抜け出せないでいる日本だが、イノベーションにより持続的成長への道が開けることに期待したい。
日本経済団体連合会はこのほど、5期計画策定に向けた提言を発表した。提言は科学技術の成果をイノベーションに確実につなげていくことができる実効性のある計画を求めている。
4期計画に対して、科学技術政策から新たな価値創造までを視野に入れた科学技術イノベーション政策への転換を謳ったものの、「実質的にはそれまでと変わらず科学技術のみに主眼を置いた政策も多かった」と手厳しい。また政策のあり方として「課題達成型」を掲げたことを評価しながらも、達成目標が定性的で不明確なものが多かったと注文をつけた。
実効性の高い科学技術基本計画にするために、これまで必ずしも明確ではなかった国家として取り組むべき研究分野の明示を求めた。そのうえで、事後評価が容易にでき、それを踏まえたうえで、次の目標を設定できるように主要項目ごとの具体的な工程表を作り、アウトプットのみならず、アウトカム(具体的な効果)の指標も示すべきだと要求する。科学研究費のあり方などを中心に、従来計画では不十分だった大学改革、研究開発法人改革、規制や税制の改革、さらには地方創生などのテーマについても基本計画の対象範囲として、取り込んでいくべきだとした。
一方で、産業界がイノベーション創出の主体であることも強調。かねてより強みを有するモノ作り力を一層強化・深化させるとともに、従来協業することのなかった製造業とサービス業などの異業種連携などよる革新的な製品・サービスの創出に力を入れるとの決意を表明した。並行して、実用化までを見据えた研究開発プログラムへの参画や人材育成への関与などにより、わが国のイノベーション・ナショナルシステムの強化に向け、一層の貢献を行うとした。
5期計画のコンセプトとして提案しているのは「未来創造型」。イノベーションを創出するには、それが興りやすいシステムを全体として構築する必要がある。欧米諸国に限らず新興国も含めて科学技術イノベーション政策をめぐって競い合う状況となっていると指摘した。今後の基本計画策定の論議に反映すべき提言である。