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2014年11月25日 前へ 前へ次へ 次へ

化粧にまつわるエピソード

 見た目より中身が大事。そう思ってはいても、外見で判断しがちなのが人間だ。見られるときは、見栄えの悪いものを見えない所に隠したり、何かで覆いたくなったりする。仕事柄よく目にする企業の事業説明の資料などに、お化粧の苦労を感じ取ることもある▼化粧。英語でメーキャップ、フランス語ではマキヤージュ。「お化粧する」という表現には、輝きを増すようなポジティブな意味合いと、不都合なもの、醜いものを隠すというネガティブなニュアンスが同居している▼心理学者によれば、人間の行動の原動力は、自己実現のために基本的欲求を満たすことにある。欲求にもまた二面性があり、希望に満ちた活力ある欲求もあれば、不都合なものを隠すような後ろ向きの願いがある。化粧の歴史を紐解くと、その願いが並々ならぬものであると分かる▼ヨーロッパの貴族は、不摂生を隠すため、化粧を含めたさまざま装飾を行った。顔に塗る白粉に鉛や水銀が使われ、結果としてより不都合な事態に直面していた。水銀中毒で歯が抜けてしまう人が続出し、口元を隠すため扇子が流行った、などは壮絶とさえいえる▼さて、クリスマスまであとひと月。華やかなイルミネーションで街並みを飾る動きがあわただしい。速足で通り過ぎ、入った赤提灯で赤ら顔に化けた。


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