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「ビジネスに最も適した国」は道半ば
競争力のある外資系企業の対日投資を促進して、日本企業との競争と協調を進めることが成長戦略につながる。日本市場における事業拡大に意欲を示す外資系企業は多いものの、ビジネスコストの高さを筆頭に日本に対する不満が一向に解消されない。アジア・オセアニア地域における地域総括拠点数はシンガポール、中国、香港の後塵を拝し、政府が目指す「ビジネスに最も適した国」の実現に向けた取り組みは道半ばである。
経済産業省がこのほど公表した「外資系企業動向調査」の確報版によると、2012年度の外資系企業の売上高は41・0兆円、前年度比11・7%減。経常利益は2兆1759億円、同7・9%減となった。新規に参入した外資系企業は80社、前年より10社減った。逆に解散・撤退・外資比率が低下した企業は143社で、5社増加した。常時従業員数は前年より5%減少するなど、外資系企業の日本離れに歯止めがかからない。
日本市場に魅力がないわけではない。「所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい」には6割以上、「(交通、エネルギー、情報通信など)インフラの充実」「製品・サービスの付加価値や流行に敏感であり、新製品・新サービスに対する競争力を検証できる」には、ほぼ半数の企業が評価している。今後の事業展開でも「拡大」が50%超、「現状維持」を合わせると98%に達する。
一方で、日本で事業を行う際の阻害要因も改善されていない。最大の不満は「ビジネスコストの高さ」で約8割に達し、その原因に人件費と税負担を挙げる企業が多い。「日本市場の閉鎖性」「製品・サービスに対するユーザーの要求水準の高さ」「人材確保の難しさ」「行政手続きの複雑さ」を回答する企業も3-4割台に達する。
外資系企業が日本市場を開拓するうえで、日本企業との提携は有力な選択肢になっている。しかし、業務提携の実績がない外資系企業は7割近い。日本企業と提携した企業は「日本市場への参入が容易になった」「事業の安定化・拡大が図れた」「提携先が有する人的・企業ネットワークを活用できた」などの恩恵があったという。
優れた技術開発力や特徴ある製品やサービスを提供する外資系企業を取り込めば、日本経済の成長戦略に貢献する。化学・医薬品企業は、輸送機械とともに外資系企業の存在感が大きい。日本市場が成長を続けていることが外資系企業を引き寄せているが、日本企業と提携することで事業拡大も見込める。税負担の軽減に加えて、戦略的パートナー構築支援など行政の果たすべき役割も大きい。