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2014年11月14日 前へ 前へ次へ 次へ

ビジネスにつながる化学物質管理を

 産業活動のグローバル化に対応して、化学物質管理はよりレベルの高い取り組みが求められている。化学物質は多くの法律に基づいて規制されており、国際的にはリスク重視に転換しつつある。各国間で調和を目指した取り組みが模索されているものの、現状の規制は国・地域ごとに違いがあり、それぞれに対応する必要がある。化学企業は、海外子会社も巻き込んでグループを挙げた化学物質管理の強化が迫られている。先行できれば、グローバルな事業展開で優位を確保、ビジネスチャンスにつながるとの認識が必要だ。
 日本化学工業協会が開催したセミナー「化学物質管理の実際‐各社の事例から」には、関心の高さから想定以上の参加者があった。講演したのは三井化学、住友化学、三菱化学、花王、デュポンの5社で、直面する課題が浮き彫りになった。
 化学物質規制は化審法、安衛法、毒劇物法など目的に応じて多様であり、事業者はそれぞれに対応しなくてはならない。事業活動のグローバル化によって、米国やEUの規制のみならず、中国など新興国の規制動向も注視する注視する必要がある。
 化学物質の市場は一段と広がり、それぞれの需要産業で健康被害や生態系影響を最小限にするリスク管理が世界の潮流となっている。しかし、需要家は化学物質を熟知しておらず、規制に関する情報も十分でないことが多く、化学企業への要望、支援要請も増えている。
 化学各社は化学品の健康・環境リスク評価システムの充実、新化学品政策や規制への対応、需要家に対する安全性情報(SDS)の提供などに取り組んでいる。しかし化学企業でさえ、増える一方の化学品規制や安全情報に的確に対応することは容易ではないとされる。それだけに、ユーザーの求めるニーズにきめ細かく対処できれば事業展開で優位になる。
 世界的な規制強化の流れと、企業のグローバル展開の加速により、化学物質管理対策は終わりがないのが現実だ。化学企業は研究開発、製造、販売などあらゆるステージでリスクの最小化を追求しなくてはならない。ただ、海外グループ会社の取り組みは道半ばで、課題を残しているようだ。
 そのなかで、海外子会社の化学物質管理を支援するグループ情報システムを構築、効率的な運用に向けた取り組みも始まっている。一方で、日本本社がすべてをコントロールすることは難しく、地域統括会社などを通じての対応が必要という指摘もあった。このためには専門知識を有し、コミュニケーション能力に優れた人材育成などに挑戦してほしい。


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