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農薬市場のグローバル化に対応急げ
2014年上期(1-6月)の世界の大手農薬メーカーの業績が好調だ。英国の調査会社フィリップス・マクドゥーガルの調べによると、ドルベースでの農薬事業の売上高でトップは、バイエル、次いでシンジェンタ、BASF、ダウ、モンサント、FMC、ケムチュラと続く。これら上位十数社の売上高合計を前年同期と比較すると4・7%増えたそうだ。
世界的に主要作物の作付面積が増えていることで農薬需要を牽引した。この調査によると、14年は前年に比べ大豆が3・6%増、ナタネが1・2%増、綿が1・9%増となった。国別ではとくに米国の伸びが大きく、大豆が10・8%、ナタネが33・3%、綿が28・9%だった。大豆はブラジルやアルゼンチンでも増えた。麦も世界的には1・1%増となり、米国で2・4%増、欧州(28カ国)で3・2%増などである。
逆にイネは世界的には0・6%の微増にとどまり、日本では0・6%減、韓国とタイは横ばいだったとしている。日本の農薬メーカーが強みを発揮できるイネの作付けの伸びは小さく、米国を中心に主要作物の作付面積が伸びたことが、欧米企業に追い風が吹いたことになる。
ただ、日本メーカーも海外で展開できる農薬を相次いで実用化し、海外売上高比率を高めている。昨今の円安の影響も加わり好業績の企業もみられる。欧米のグローバル企業は北半球だけでなく南半球でも農薬を販売し、年間を通じて安定した収益を上げられるよう努めている。日本メーカーもそのような積極的なグローバル展開が求められるだろう。
ところで今年上期に、モンサントがシンジェンタの買収を検討していたことが報道された。結局、合意には至らなかったが、実現すれば年商3兆円規模、世界農薬市場の2-3割近くを一社で占めてしまう巨大企業が誕生していた。両社は種子事業でも世界屈指の企業である。モンサントは本社を米国からスイスに移すことで、米国での法人税負担を軽減しようとしたなどさまざまな憶測はあるが、合併が実現したら農薬のみならず、遺伝子組み換えを含む種子事業でも、これまでにない巨額な研究開発費を確保できるようになったはずだ。
農薬は一剤を実用化するまでに100億円が必要と言われる。研究開発を強化することで、これまで以上に市場でのポジションを強固にすることは間違いない。日本企業がこうした巨大企業と伍していくためには、国内企業同士の戦略的提携も含めた大胆な事業戦略を視野に入れなければならない時期を迎えているのかもしれない。