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景気回復のカギを握る鉱工業生産
日本銀行による10月の地域経済報告(さくらレポート)では、全国9地域のなかで東北の景気判断を引き下げたが、東北を含めて全地域で「回復」の表現を用いた。国内需要が堅調に推移し、雇用・所得環境が着実に改善していることが背景にある。政府の月例経済報告は景気判断を2カ月連続で下方修正したが、「弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と基本的判断は変えなかった。課題は生産活動が停滞から脱し切れないことだ。
さくらレポートで景気判断を引き下げた東北は、公共事業の減少が理由だが「基調的には緩やかに回復している」とする判断は維持した。全国的には、消費増税による個人消費の不振から「回復している」(北海道)、「基調として緩やかに持ち直している」(北陸、東海など4地域)、「基調的に底堅く推移している」(関東甲信越、近畿など4地域)として、駆け込み需要の反動減の影響は「和らいできている」という見方だ。
大型小売店販売額、乗用車や家電販売の回復の度合いに差はあるものの、持ち直しの動きが出ている。さらに外国人観光客の増加もあって、旅行関連需要が堅調に推移していることが個人消費を押し上げた。
一方で、住宅投資や鉱工業生産は厳しい環境が続いている。住宅投資では関東甲信越、近畿など4地域が「駆け込み需要の反動減が続いている」「弱めの動きとなっている」と報告。生産は北海道、北陸、四国から「増加している」「緩やかに持ち直している」などの報告があったが、東海など3地域は「横ばい圏内で推移している」、関東甲信越、東北は「足元では弱めの動きとなっている」。
経済産業省が先週発表した8月の鉱工業生産確報では、季節調整済み前月比は1・9%の低下となり、速報の1・5%低下から下方修正された。2カ月ぶりのマイナスだが、前年同月比は昨年9月から10カ月連続増加の後、2カ月連続のマイナスに陥った。出荷の不振も続き、前月比在庫は4カ月連続で積み上がった。
「電子部品・デバイス」「はん用・生産用、業務用機械」は比較的堅調に推移しているが、「輸送機械」「電気機械」「情報通信機械」「金属製品」の低迷が続いている。8月の医薬品を含む「化学工業」生産は前月比2・6%、6カ月ぶりのプラスに転じたが定修明け要因が大きく、前年同月比は5カ月連続の低下を更新中。プラスチック製品工業の生産・出荷も停滞が続いている。来年10月に予定している消費再増税を判断するうえでも、生産活動がどこまで回復するかが焦点になる。