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産業構造の変化を反映する日中貿易
日本貿易振興機構(JETRO)によると、2014年上半期の日中貿易総額は前年同期比4・4%増、前年同期の2ケタ減から増加に転じた。それでも反日デモ前の12年上半期水準には及ばない。輸出(中国の対日輸入額)は同2・5%増、上半期ベースでは3年ぶりに増加したものの、輸入が同6・1%増、2年ぶりの増加に転じ、貿易収支は過去最大の赤字幅となった。化学製品も含めて日中の産業構造の変化を反映している。年間でも輸入の伸びが輸出を上回り、過去最高を更新する可能性が高いと予想している。
JETROは、香港経由の対中輸出が日本の貿易統計に計上されないため、中国の通関統計による対日輸入額を使って、双方輸入ベースで分析するほうが日中貿易の実態を正確に把握できると判断している。この方式で計算すると、今年上半期の貿易総額は1684億ドル、内訳は輸出が780億ドル、輸入が904億ドル。日本側の123億ドルの赤字となった。
輸出は自動車、半導体や液晶パネル用生産設備などが増加する一方で、最大シェアの電気機器は、ICなど電子部品が2ケタ減により大きく減少。化学製品は微減だった。輸入は幅広い品目で増加、過去最高を記録した12年に迫る金額となった。
JETROでは下半期も輸出入とも増勢を維持して、年間貿易額は3年ぶりの増加に転じると予測。ただ、輸入の伸びが輸出を上回ることが予想され、対中貿易赤字は13年の186億ドルを上回り、過去最高を更新する可能性が高いと指摘する。
日中貿易の推移は、両国の政治的関係や景気動向とともに、産業構造の変化も映す。中国政府は大規模ではないものの景気下支え策を打ちだしたことで、自動車および関連部品、鉄鋼の需要は堅調とみる。労働コストの上昇に対処するための自動化・省力化機械市場が拡大する。一方で、自給化が進む部品や原材料は、高付加価値品目を除いて減少局面に転じている。
化学製品は機械系製品に次ぐ高いシェアを維持している。14年上期の輸出額は125億ドル、シェア16・1%だが、前年同期比は0・2%減。パラキシレン、プロピレンなど有機化合物の不振が原因だ。プラスチックは微増、医薬品は金額は小さいもののホルモン製剤、抗生物質、免疫血清の伸びで36%増加した。これに対して輸入は49億ドル、前年同期比9・8%増で酢酸エチル、PETなどが高い伸びとなり、医薬品も増加した。
化学製品に限定すると、76億ドルの貿易黒字が維持しているが、基礎化学品やプラスチックなどは現地調達比率が高まることは避けられないだろう。