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シンガポールが導入した新雇用制度
シンガポールには、日本の多くの化学企業が現地法人を設立、営業や生産の拠点だけではなく、本社機能的な権限を有する組織のハブとなっている。そこに多彩な人材を集められることが、同国の強みの一つとなっている▼そのシンガポールは、今月1日よりシンガポール人の雇用を考慮することを義務付ける新制度を施行した。「FCF」と略されるこの制度は、公平性に配慮した枠組みとでも訳すのだろうか。ポイントは外国人が就労ビザを取得する前に、シンガポール人を雇用することを公平に考慮するよう雇用者に義務づける制度。就労ビザ取得に必要な雇用を担保するには、ビザ取得の2週間前、労働関係庁に求人広告を掲載する必要がある▼化学に限らず、世界の有力企業はシンガポールの持つコスモポリタン性に着目し、ここに多様な機能を置こうとしている。一方で、政府としては自国民の雇用は最重要テーマだ。単なる雇用だけではなく、雇用レベルを上げることも求められる▼だが、失業率2%という状況で、自国民の雇用促進をこうした形で企業に求めるのは、企業に思わぬ負担を課すことにならないだろうか。とくに優秀な人材の獲得競争で、人件費上昇につながるのではとの懸念も強い。海外からの投資が同国経済発展の大きな要因だけに気になる動きではある。