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中小製造業に決断迫る海外生産戦略
顧客のグローバル展開に連動して海外に拠点を設けるか、商品の高付加価値化を図り国内で勝負するか。中小企業にとって、この選択は以前にも増して重要度が高まっている。市場のボーダーレス化が進展するなか、大きな経営資源の投入が必要な海外生産に踏み切るのは、中小企業にとって大きな負担だ。しかし、持続成長を考えた場合、避けて通れない課題である。
日本政策金融公庫の「中小製造業の取引先の海外生産とその影響に関する調査結果」のなかで、中小製造業の主な取引先は円安下でも海外生産を増やしたことで、中小企業の半数は受注減などマイナスの影響を受けていることが明らかになった。この調査は同公庫取引先(原則従業員20人以上)1万2267社(有効回答数5342社)を対象に、今年3月に行われた。
調査結果によると、主な取引先の5割強が海外生産を実施。2012年11月以降の円安状況下でも6割強がこの傾向を強めている。一方、国内生産量は減少させる傾向にあるという。
これに対し中小製造業の4割強が海外生産に踏み切っており、取引先と同様に約6割の企業が今後増加させる方針という。これらの企業は現地調達化を進める取引先からの受注確保を図るほか、現地市場の開拓などに注力している。ただ、安価な現地品との価格競争といった問題も付いて回り、採算面に影響を与えているようだ。
一方で海外生産を実施していない企業では、「製商品の高付加価値化」「新たな国内販売先を開拓」「コスト削減、製商品価格の引き下げ」の手段で競争力を高めている企業がいずれも5割を超えている。海外生産している企業は「コスト削減、製商品価格の引き下げ」が42%と実施していない企業より10ポイント程度低く、海外生産に依存しない企業が海外品などとのコスト競争への対応に迫られている様子もうかがわれる。
海外生産の理由では、すでに実施している企業は「取引先の進出」(39・7%)、「人件費の安さ」(37・6%)、「進出先の需要」(35・7%)の順。一方で海外生産を予定する企業の約6割が「進出先の需要」と回答。次が「取引先の進出」であり、人件費の安さや原材料・部品の安さを挙げる企業は実施ずみの企業よりも低かった。このことから、コスト低減よりも、海外需要や取引先の動向を重視する傾向が強まっていることを示している。
新興国を中心とした海外需要を取り込むことは企業の成長に欠かせなくなっている。一方、高付加価値化の追求といった取り組みは、国内外を問わず重要なことは変わらない条件だ。