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対外と対内の投資拡大で経済再生を
日本経済の持続的成長に、日本企業の対外投資と外国企業による対内投資のバランスある拡大が求められる。2013年の対外直接投資は前年比10・5%増、5年ぶりに過去最高を記録した。人件費上昇が著しい中国からASEAN諸国に拠点を移す動きなど、戦略見直しも進んでいる。対日投資は停滞から脱し切れないが、法人税引き下げなど日本の高コスト構造是正に向けた動きは出ている。外国企業による雇用機会の創出、生産性向上、経常収支の改善につながる支援策が急がれる。
日本貿易振興機構が公表した「ジェトロ世界貿易投資報告」の副題は"日本を国際ビジネス循環の基点に"。輸出や対外直接などアウトバウンドと、対内投資や観光などインバウンドが活発化して相乗効果で、日本の経済成長や企業競争力強化の好循環を生み出したいというメッセージを込めた。
アウトバウンドで期待するのはアジアの消費市場。1人当たりGDPが1万ドルを超える都市が急増、人口集中も進んでいる。この市場向けに農林水産物の輸出額は5500億円を突破、過去最高を記録した。このほか外食産業や生活関連雑貨、アパレル・テキスタイル、コンテンツなどの事業展開を強化し、海外で稼ぐ可能性が広がっている。さらに健康への関心も高まっており、政府は医療機器輸出額を20年までに倍増の1兆円とする目標を掲げている。
一方で、日本企業の海外拠点再編にも注目している。中国からタイなどに続き、最近ではベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオスなどのASEAN諸国に拠点・機能を移す動きが目立つ。海外拠点を活用して第三国に輸出する戦略、さらには日本が出遅れているアフリカ展開も動き出している。
製薬、自動車、消費財などで対内投資を増やし、存在感を高めている外国企業は多いが、日本の高いビジネスコストが阻害要因になって投資に慎重になりがちだ。主要国は法人税引き下げなど投資環境の整備に加え、首脳自ら企業誘致に向けた外交を行っている。安倍首相の「地球を俯瞰する外交」は、日本をアピールする好機になっているが、並行して各省庁や地方自治体の戦略的取り組みが大切になる。
このほか、日本人の留学生やシリコンバレーでの起業の少なさのほか、終身雇用型勤務形態などに起因した"頭脳循環"の停滞も指摘。これらの問題を解決して日本発のビジネスイノベーション、外国人留学生など多様な人材の能力を最大限発揮できる「ダイバーシティ経営」の重要性も強調した。今後の政策に反映してほしい。