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業績伸び悩みが示す製薬企業の課題
大手製薬企業の足元の業績が国内中心に苦戦を強いられている。今年度第1四半期(4-6月)決算では、最大手の武田薬品工業以下、軒並み国内事業の売上高が前年同期比で減少した。4月に実施された薬価改定が大きく響いた格好だ。後発医薬品のシェア拡大は着実に進んでおり、国内事業を取り巻く厳しい事業環境は今後も続くことが確実だろう。大手製薬企業の海外事業比率は以前より高まってはいるものの、画期的新薬の開発と並んで、海外展開のさらなる強化が求められているといえるだろう。
武田薬品の第1四半期の売上収益は、前年同期比0・2%増の4111億円。しかし、国内事業に限ると、医療用医薬品事業の売上収益は1380億円で、前年より22億円の減収となった。これを27億円伸びた海外事業が補った。
アステラス製薬、大塚ホールディングス、第一三共などの主要メーカーも状況はほぼ同じ。第一三共は国内の減少を海外の伸長でカバーして、かろうじて増収を確保した。海外が好調で大幅増収となったアステラス製薬、大塚ホールデイングスも国内事業は落ちんでいる。エーザイ、田辺三菱製薬、大日本住友製薬なども、押しなべて国内事業はマイナスだった。
消費税増税前の仮需の反動減があったとみられるが、国内不振の最大の要因は、薬価改定によって長期収載品と呼ばれる特許切れの既存先発品が落ち込んだことだ。薬価改定は、実勢価格と薬価とのかい離を解消するために行われる性格上、常に引き下げられ、これまでも2年に一回の実施の度に製薬企業の業績は影響を受けてきた。
しかし、今回の改定は単なる薬価引き下げだけではなく、後発品の拡大に向けた新制度が導入されたことが特徴だ。後発薬への置き換えが進まない長期収載品には、特例的な引き下げが行われる。このことが象徴するように、国は後発薬促進に向けた意思を一段と鮮明にした。日本の医薬品市場は、後発品が出ても先発品への置き換えが進まないとされてきたが、今後は長期収載品に依存する経営からの脱却がより強く求められる。
製薬企業にとって、成長の柱となるべきは画期的な新薬の開発だ。そして、その新薬をグローバルに展開していくことが必要となる。2005年には大手製薬企業の海外売上高比率は20%ほどだったが、現在では40%に迫る勢いで、短期間で急速に伸長した。いかに優れた医薬品を他社に先駆けて開発、世界に供給していけるか。そこに国内製薬企業の命運がかかっていることを、足元の業績は改めて示しているといえよう。