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日中首脳会談の11月実現に期待する
今年11月、北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)において、安倍晋三首相と習近平国家主席との最初の日中首脳会談に向けて、両国間で調整が行われていることが明らかになった。2012年9月の尖閣諸島国有化を契機に、中国各地で発生した反日デモで、日中間の対立は深刻化した。その後も日中両国の間には、さまざまな問題が相次ぎ、世界の政治、経済にも影を落としている。こういうなかで、首脳会談の実現は日中のみならず、アジア各国や米国からも待たれていることは間違いない。
尖閣国有化後、吹き荒れた反日デモから2年を迎える。この影響は13年半ばまで続き、日系自動車の買い控えをはじめ、日本商品の不買や排斥運動が散発的に発生した。中国で事業を展開する日系企業だけでなく、中国に製品や材料を輸出している日本企業の受けた打撃も計り知れない。
上海や北京、広州などの大都市では、日系企業の街頭PRやテレビコマーシャルによる商品広告や企業広告などが一斉に姿を消し、長期間見ることができなかった。このような日中間の対立に潮目が変わり始めたのは、13年半ば以降。今年になって、上海など大都市を中心に日系自動車の販売数量が急速に回復している。現地で自動車関連部品や材料を手掛ける日系化学関連企業からも「尖閣前の状況に完全に戻った。むしろ、その時よりも良くなったビジネスもある」と、異口同音に事業の好調さを語る。
上海や北京などの大都市部では、日系企業の製品販売促進イベントが尖閣問題以前と同じように開催されるようになってきた。とくに街頭のイベント会場において、カメラやエレクトロニクス企業、食品や化粧品企業などによる日本ブランド商品を中国人にPRするイベントや大型広告が日常的に見られるようになってきた。
各種の展示会なども活況が戻っている。以前は「日本という文字を外してほしい」という要請が、展示会の主催会社から出展会社に打診されるような事態もあった。このところ、日本の文化関連やクールカルチャー製品、ファッションなどの展示会も盛んに開催されている。
日中間には政治的対立や乗り越えなくならない課題が山積していることは明らかだ。ただ、日中国交正常化以降、両国経済の結び付きは深まり、人的交流も拡大してきた。アジアのみならず、世界の安定化のためにも日中両国の関係修復が待たれている。それだけに11月のAPECにおける首脳会談には世界の耳目が集まる。その実現に期待したい。