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次の一手が必要な石化コンビナート
石油化学コンビナートの再編劇が、新たなステージに突入しつつある。余剰能力解消の動きが具体化する一方で、「残る設備」の競争力をいかに向上させるかに議論が移りつつあるためだ。老朽化設備の思い切った更新投資や石油精製業界との連携、あるいは電気、蒸気、水といったインフラ部門の共通化など、新たな対策に向けた議論も活発化してきた。
化学メーカーは、成長分野への経営資源シフトを一段と加速させている。1960年代以降、物量面で化学企業を支えてきた石油化学部門は、輸入品と競合しない差異化された製品や、付加価値の高い事業への転換が進められており、この結果として汎用型石化製品は規模縮小に向かっている。
こうしたなかで、三菱化学・鹿島の1号機エチレンが来月、生産活動を停止し、本格的な縮小時代の幕が開ける。2015年から16年にかけて、住友化学・千葉、旭化成ケミカルズ・水島(西日本エチレン)の停止も予定され、関係各社が具体的な準備作業を進めている。
しかし、単に規模を縮小して需給ギャップを解消するだけで、製造拠点の競争力が向上するわけではない。残る設備が輸入品との競合に耐えるには、何らかの対策を講じ、海外拠点と遜色ないコスト競争力を確立する作業が不可欠となる。しかも、「六重苦」と呼ばれる不利な条件のなかで、有効な対策を見いださなければならない。
打開策として、老朽化したエチレン設備を閉じる一方、競争力の高い最新鋭のエチレン設備を国内に新設する案や、コンビナートに集積する企業のインフラ部門を共通化し、一元管理することでコストを引き下げる案などが議論されている。ただ、これらの対策は複数の企業が志を共にする必要があり、具体化には曲折が予想される。
石油精製と石油化学との連携による競争力強化についても、現時点でハードルは高いといえそうだ。石油精製と石油化学の両産業はともに、国内における余剰能力の解消という共通点はあるものの、一方で立ち位置の違いは大きい。石油精製企業は新時代のエネルギー企業として生き残るべく、次の成長戦略を描きつつあり、エチレン設備を中心とする化学事業については、必ずしも優先順位の高い課題とはいえない。
このように、石化コンビナートが新たな強化策を打ち出すには、さまざまな課題を抱える。その一方で、手をこまねいていれば、安価な輸入品に国内市場を席巻され、新たな余剰能力に苦しむことになる。いかに課題を乗り越え、次の一手を編み出すか注目したい。