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競争力につながる特許審査の質向上
景気回復にともない特許出願件数は増加傾向にある。経済成長と技術革新は相関関係にあるとの報告もあるなか、日本では海外への特許出願が増えている。企業のグローバル展開の活発化が背景にあるが、この基調は今後も続くことが予想される。
特許庁がまとめた「特許行政年次報告書2014年版」では、12年の日本から海外への特許出願は過去最高の約20万件となり、この10年間で約2倍になった。国際条約の枠組みを活用した国際一括出願の日本からの件数も10年間で2倍以上に増加し、13年は4万3918件(速報値)と米国に次いで世界第2位だった。ただ、欧米と比べれば、自国への出願を含めた総数の中で海外への出願の割合はまだ低いのが現状だという。
日本から海外への特許出願件数の推移をみると、08年に17・9万件まで拡大したものが09年には16・7万件に落ち込んだ。10年から回復し12年には19・7万件まで増加したが、これにはリーマン・ショックにともなう世界同時不況が影響しているとみれば分かりやすい。
それを裏付けるのが、トムソン・ロイターが発表した「2013年版技術革新リポート」だ。12の主要な技術分野において企業の特許活動から世界の技術革新の動向を調査・分析し、技術分野ごとにアジア、欧州、北米の各地域の特許出願人上位10社を示したもの。これによると、同社が特許動向の調査・分析を開始して以降、5年間で特許件数の増加が最大となり、不況による長い低迷期を脱したことがうかがえるとしている。報告書の分析結果から、特許と技術革新だけでなく、技術革新と経済成長の相関関係が明らかになったと指摘している。
ここでは、日本企業は自動車分野における代替動力部門で世界10社中7社を占め、発酵技術では6社、コンピューター・周辺機器、家電、医療機器、半導体の4分野で5社がトップテン入り。わが国の技術力の高さを反映した結果となった。
特許庁は今年3月、23年度末までに、特許の「権利化までの期間」を12年の半分である平均14カ月以内、「一時審査通知までの期間」をさらに短縮する平均10カ月以内とする目標を掲げた。特許取得のスピードアップが図られることで日本企業の国際競争力が高まり、さらにグローバル化の進展につながることは間違いないだろう。
同庁は特許審査の質の維持・向上に向けた活動を推進する方針を掲げている。経済成長と特許出願件数の相関関係から、この取り組みが産業競争力となって政府が掲げる成長戦略につながることを期待したい。