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2014年06月19日 前へ 前へ次へ 次へ

将来世代にツケを残したくない

 「将来世代に負の遺産を残したくない」。総論では大半の国民が合意できるが、各論となると利害対立ばかり目立ち、抜本対策に踏み切れない。年金など社会保障問題と地球温暖化対策はその双璧ではないか▼政府は5年に一度の公的年金の財政検証を公表した。100年後の経済や人口を想定して8つのシナリオを示したが、現役時代の平均所得に対する年金給付額の比率(所得代替率)が50%以上を確保できるのは5つ。専門家でなくとも、楽観的すぎると感じるだろう▼若者を中心に年金不信が広がっていることも背景にあるにしても、実態とかい離した見通しを提示して、改革を先送りすることは年金制度そのものの崩壊につながる▼地球温暖化対策は長期的、かつグローバルな問題という特徴がある。加えて温室効果ガス濃度の測定はできても、気候変動への影響など科学的知見の整備は十分でなく、多様な意見が存在する。「世界の平均気温上昇を2度C以内に抑える」ことが目標だが、約200カ国に拡大した世界の足並みを揃えることは容易でない▼シニア世代の会話は「孫と病気に集中する」。そして「年金だけでは足りない」という発言も多い。年金支給額の削減には反発が必至。温暖化対策に個人の貢献は限られている。それでも孫の世代のことを真剣に考えたい。


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