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2014年05月21日 前へ 前へ次へ 次へ

国挙げた小規模事業者への支援策を

 発表を終えた2014年3月期決算企業からは概ね好調が見て取れ、過去最好業績をあげたところも相次いだ。円安継続で輸出環境に恵まれたほか、設備投資の回復、個人消費の持ち直しなどが企業業績に波及した結果だ。この回復感は決算を開示している大手・中堅の上場企業では明らかだが、これが小規模事業者にも同様に波及していることを願いたい。
 14年版中小企業白書によると、全国の中小企業の数は385万にも及び、そのうち9割を小規模事業者が占める。小規模事業者の景況は全規模、中規模と比較して低い水準にあるため、景気回復感の実感を届けることが必要としている。
 小規模事業者は大企業と比べて資金面に余裕がないため数々の問題を抱える。その一つがグローバル展開。人口減を背景にした国内市場の縮小・顧客の海外生産シフトが進むなか、大手・中堅と同様に積極的に海外進出を図っている。ただ資金に乏しいため、公的支援機関に加えて民間の海外展開支援事業者との連携なども必要となる。
 情報化の遅れも課題だ。個人向けEC市場が拡大傾向にあるなか、小規模事業者はこの機会を十分に生かせていない。半数以上はホームページを持っておらず、自社サイトでの製品販売・予約受付は1割程度、ネットショップなどへの出展・出品は1割を切っているという。
 全国の中小企業・小規模事業者にきめ細かな支援施策を行っていくには、国・都道府県・市区町村が互いに連携していくことが不可欠だと白書は強調している。その連携を促進する一つの手法として、全ての施策を検索して比較・一覧できる「施策マップ」の構築を掲げた。
 さらに地域経済活性化も重要テーマであり、域外から資金を調達し域内に配分する「コネクターハブ企業(地域中核企業)」がカギを握ると指摘。国や都道府県・市区町村による地域産業政策・活性化政策の立案を支援する「地域産業構造分析システム」を14年中にも開発する。これらには民間が保有するビッグデータを活用していく。
 前期は、自動車や住宅関連分野などで消費税増税前の駆け込み需要を背景に好調だった。その消費増税による影響は予想よりも小さいという報告もある。小規模企業にとっても同様な状況であるとすれば安堵感が漂っていいだろう。
 わが国経済を根本から支えているのは、中小企業であり小規模事業者である。持続的成長を成し遂げるには、この基盤を構成する層が本当に活力を取り戻さなければいけない。そのためにも国を挙げた連携が欠かせなくなっている。


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