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底打ちが期待される無機薬品の需要
無機薬品の需要に底打ち感が出ている。今夏以降、回復傾向を示しており、9月に関しては増加を示した品目が相次いだ。ただ、全体でみれば力強さに欠けており、回復感の中にあっても無機薬品各社は市場拡大への継続的な努力が必要だ。
日本無機薬品協会が集計した2013年度上期(4-9月)の無機薬品出荷量は、前年同期比0・7%減の152万6640トンだった。全体の3割超を占めるアルミニウム化合物やポリ塩化アルミニウム、過酸化水素、クロム塩類など半数が前年割れした。一方、船舶用塗料などに用いられる亜酸化銅や水処理・排ガス浄化用途の活性炭、電子材料用途のフッ素化合物が2ケタ伸長するなど8品目が増加。とくにフラットパネルディスプレイ(FPD)製造に用いられる炭酸ストロンチウムは大幅減だった前年の反動もあり28%増加している。
12年度に関しては東日本大震災や欧州不況などの影響を受け、22品目中17品目が生産・出荷量ともに前年割れした。13年度は円高修正による国際競争力の回復、震災復興需要の本格化などを背景に3年ぶりの増加が期待されているものの、6月までマイナス基調が続いていた。
ただ、無機薬品出荷量は7月に前年同月比で3・6%増とプラス転換した後、8月には微減を示したが、9月は再び4・3%の増加となった。同月に関してみれば、減少10品目に対して23品目が増加を示している。
このペースでいけば年度合計はプラスを示す勢いで、協会の当初需要見込み(288万7000トン、酸化チタンを除く)を上回る可能性もある。ただ、新興国の景気動向などを踏まえると、決して楽観できない状況は否定できない。
無機薬品の国内生産量はかつて500万トンを超えていたが、ITバブルの崩壊、公共投資縮減、リーマン・ショックを経て現在のレベルまで縮小した。10年度に3年ぶりの増加を示した後2年連続で減少しているだけに、今年度の回復に期待がかかっている。
ただ、最大用途の水処理関連は公共投資に左右されるほか、業界再編にともないクロム塩類の需要が期待できないなど全用途での伸長は考えにくい。一方では、来年4月の消費増税を控えた駆け込み需要などが出荷量の押し上げ要因となろう。
今後、復興需要の本格化、さらには20年東京オリンピック開催にともなうインフラ需要拡大から無機薬品の出荷増も期待される。ただ、確実な成長を遂げるには、これまで牽引してきた電材関連や環境関連、さらには新たな用途開拓が必要なことはいうまでもない。