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2013年11月25日 前へ 前へ次へ 次へ

コスト高を改善して対日投資拡大へ

 日本経済の成長戦略の実現に、高い技術開発力や特徴あるサービスを提供できる外資系企業の対日投資拡大が期待されている。一方で、外資系企業は日本市場に魅力を感じながらも、人件費や税負担などに起因するビジネスコストの高さに不満を持っている。日本企業との業務提携を前向きに検討しているものの、実績は少ないという実態も浮かび上がっている。今後の対日投資拡大に向けた施策に生かしたい。
 経済産業省は「外資系企業動向調査」を毎年実施している。今回の調査は2012年8月に実施し、有効回答企業は約3200社だった。非製造業も含めた年度売上高は前年度比7・9%増の46・5兆円、経常利益は同13・7%増の2兆3618億円と、着実に業績を向上させた。設備投資は同11・7%増の9328億円、雇用者は同7・5%増の56・3万人だった。
 今後の日本における事業展開に関しては、「拡大」と回答した企業が51%で最も多く、続いて「現状維持」が45%。事業の「縮小」、「廃止」を検討している企業は3%台にとどまる。日本で事業展開する魅力は「所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい」、「(交通、エネルギー、情報通信など)インフラの充実」、「製品・サービスの付加価値や流行に敏感で、新製品・新サービスに対する競争力が検証できる」と回答する企業が多い。
 一方で、日本で事業展開する際のマイナス評価は「ビジネスコストの高さ」、「日本市場の閉鎖性、特殊性」、「製品・サービスに対するユーザーの要求水準の高さ」が並んだ。事務所賃料なども含めビジネスコストの高さはかねてから外資系企業の不満の種だが、解消されていない。人材確保を進めるうえで、言語力によるビジネスコミュニケーションに悩む企業も相変わらず多い。
 外資系企業と日本企業との業務提携にも課題を残す。これまで提携実績が「1社もない」と回答した企業が約7割を占めた。約4割の外資系企業が日本企業との業務提携に前向きなことを考えると、その橋渡し機能の整備は急務ではないか。
 化学・医薬品産業は輸送機械、情報通信機械とともに外資系企業の存在感の高い業種だ。企業数では製造業全体の22%を占め、売上高は4・3兆円で輸送機関の6・8兆円に続く。利益では医薬品企業の高い収益力もあって4340億円を確保している。研究開発費でも医薬品は売上高比率8%前後を維持している。引き続き、日本企業との"競争と協調"の先進事例になるような取り組み、成果を期待したい。


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