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プラ製容器包装の環境価値を見直せ
三井化学が食品用包装フィルムを対象に行った環境影響評価で面白い結果が出た。食品を含めた環境影響を分析した結果、フィルム自身の影響は食品生産にともなう影響の10分の1程度で、環境負荷の大きさは食品の廃棄率に依存するという。フィルムをはじめとする容器包装の機能の一つが、内容物の保護。食品ロス低減に欠かせないが、現実は開封後に"ゴミ"として問題になることが多い。容器包装の環境価値を見直すきっかけとなってほしい。
評価したのは、子会社が開発・販売する鮮度保持フィルム「スパッシュ」。生鮮食品の新鮮さを長期間保てるため、野菜や果物、水産物などの包装に使われている。東京都市大学の伊坪徳宏教授らの協力を得て、野菜(ホウレンソウ、ナス、トマト)の栽培と、それを包装するフィルムの環境負荷を、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて解析した。
フィルムの環境負荷は、有機・慣行栽培によるホウレンソウ、ナスの10分の1で、トマトとは同等だった。今回は農薬と肥料由来の環境負荷を評価したが、農耕機の燃料や光熱エネルギー、諸材料も含めれば、その差はさらに広がるだろう。汎用フィルムとスパッシュの環境負荷に有意な差はなかったため、鮮度保持効果が高いほど環境負荷を低減できることを意味する。
フィルムに限らず、ボトルやトレイなどの容器包装は、内容物の保護や取扱性の向上、商品情報の発信などの機能を持ち、消費者の安全性や利便性の向上に貢献している。環境性能の面でも、流通や販売、消費段階における食品ロスの低減、輸送効率の向上になどに大きな役目を果たし、近年はCO2削減や省資源化の視点から包装材料の薄肉化・軽量化も進んでいる。
三井化学は、高強度で薄肉化が可能な包装フィルムについても環境影響を評価している。既存フィルムに比べ40%程度薄肉化することができ、かつ衝撃や摩擦、折り曲げによる穴が空きにくいため食品ロスも減らせる。薄肉化と食品ロス低減効果を合わせた環境負荷低減効果は、金額に換算すると年間7600万円になるという。
容器包装は単なる入れ物と捉えられがち。廃棄・リサイクルなど使用後の扱いばかりが注目され、プラスチック製容器包装に対してはリサイクルへの配慮から単一素材化を求める声もある。ただ、その多くは素材を最適に組み合わせることで機能を持たせている。包装の簡素化は必要だが、過度に行えば食品ロスが増え、かえって環境負荷が増すことになる。真の環境配慮とは何か、容器包装の役割を再認識する時期にきている。