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2013年08月27日 前へ 前へ次へ 次へ

課題を解決して対日投資拡大を急げ

 海外の優れた技術や経営ノウハウを導入して、日本経済を活性化させる対日直接投資の重要性が指摘されて久しい。民主党政権時代には「アジア拠点化推進法」を制定して外資系企業の呼び込みに取り組んだが、円高が継続したこともあって目立った成果は生まれず、投資額は伸び悩んできた。日本の市場規模や研究開発環境に魅力を感じる外国企業は多いものの、割高なビジネスコスト、グローバル人材の不足が障害になっていることが浮かび上がっている。
 安倍政権の成長戦略として閣議決定された「日本再興戦略」では、2020年までに対日直接投資残高を12年末の17・8兆円から35兆円に倍増するという目標を掲げた。政権発足以来の円高是正は、対日投資の追い風になりそうだが、継続的に拡大するためには安定した経済成長とともに、投資先としての魅力をいかに高めるか、その政策が問われている。
 世界経済を牽引している新興国向け直接投資が話題になりがちだが、欧米先進国も外国からの投資を受け入れて経済活性化に取り組んできた。日本も90年に「直接投資政策の開放性に関する声明」を契機に積極的な投資受け入れを進めた。21世紀になり増加傾向に転じてきたが、そのGDP比率は欧米に比較して圧倒的な低水準で推移している。また金融・保険業を除く非製造業の投資が少ないという特徴が指摘されている。
 対日投資が低迷している原因を分析して的確な政策が急務だ。日本市場は世界3位のGDP規模を有しており、販売拠点のしての魅力は見込める。研究開発投資は高水準を維持しており、優れた研究者を抱え、研究インフラも整備されている。ただ、優秀な技術者で、かつ英語能力の高いグローバル人材になると限られているが、研究開発拠点としてのポテンシャルは世界水準を上回るだろう。
 問題はビジネスコストの高さである。国内企業からも不満の大きい国際的に割高な法人税に加えて、硬直的な労働規制や電力コストなど社会コストの高さが製造業を中心に日本忌避の動きにつながっている。とくに競合する韓国などアジア新興国の税制や投資優遇措置に比較して見劣りすることは否めない。
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」によって、デフレ脱却とともに着実な経済成長が期待される。政治的にも安定すると見られている。日本再興戦略では特区制度の抜本的改革、外国企業誘致・支援制度の思い切った拡充など、これまで以上に積極的な対日投資拡大方針を打ち出した。日本の魅力を高める政策を情報発信して成果につなげてもらいたい。


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