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2013年08月27日 前へ 前へ次へ 次へ

超高層ビル神話

 超高層ビルは、国家あるいは都市の経済力と科学技術の高さを誇示するというのが大方の共通理解だろう。ニューヨークの摩天楼群は、その象徴でもある▼しかし、超高層ビルはその時代に祝福される存在というより、「負」のイメージが重なるというのは歴史が示す皮肉でもある。エンパイアステートビルは30年代初め、大恐慌のただ中に竣工したほか、マレーシアのペトロナスタワーはアジア通貨危機が深刻だった98年そして現在、世界一の高さを誇るドバイのブルジュハリファも「ドバイショック」の余韻が色濃く残るときだった▼経済成長と建設ブームが重なり合うのは常だが、経済の循環とは巡りあわせが悪いようだ。こうした中で、中国・長沙市で世界一(838メートル)を標榜して着工した「天空都市」が、着工わずか4日で当局から中止命令を受けた▼手続きの不備が理由らしいが、「基礎工事を含めて10カ月」という建設計画を疑問視する向きのほか、「なぜ地方都市の長沙に」という声もある。もっとも、建設主は中止命令に怯んでいないらしい▼いま、世界の超高層ビルトップ20のうち、中国にあるのは8棟。これに、天空都市をはじめとして建設ラッシュが続く▼減速の度合いが注目される中国経済、「超高層ビル神話」との"不都合な遭遇"だけは避けてもらいたい。



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