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機能性化学品再構築に果敢な挑戦を
日本の化学産業は、21世紀になって花開いた電子材料を中心とした機能性化学品で内外に存在感を示した。しかし、国内の電機産業の国際競争力の低下、期待していた電気自動車(EV)不振などの影響を受ける一方、機能性化学品そのものでも新興国企業の追い上げを受けて厳しい環境に直面している。この事態をどのように打開して新たな成長戦略を構築できるか、その際の課題などを幅広く議論したのが経済産業省化学課の「機能性化学産業の競争力強化に向けた研究会」。その報告書がこのほど公表された。
機能性化学品事業はこのところ、需要不振と過当競争が続き、選択と集中による立て直しが迫られている。収益の期待できる事業に絞り込むために企業間連携の重要性も増している。報告書では競争政策など規制の大きな障害は解消していると指摘した。研究会に参加した企業トップからも格段の要望もなかったようで、企業の自主的判断や実行が問われることになる。
化学産業の研究開発の方向性を見極めるために「技術戦略ロードマップ」作成を提案した。経産省は国家として重要な産業技術のロードマップを2005年から公表してきた。化学は産学が連携して作成、10年版ではグリーンイノベーションを支える2次電池を追加した。その後は化学の多様性もあって、俯瞰的に展望した技術戦略マップは作成されていない。
化学技術の将来展望、直面する課題を示した技術戦略マップを提示することで、機能性化学品に原材料を供給する関連企業や大学の研究者に適切な情報を提供できる。ユーザー企業の研究開発部門と連携の橋渡しを果たすことも見込める。さらにメディカル分野なども含め部材メーカーとユーザー企業による「研究開発シナリオ」の策定を新化学技術推進協会で行う。
もう一つの課題として取り上げたのが技術流出防止対策。高機能化学品市場がグローバル化するなかで実効ある対策が急務となっている。相対的に優位な顧客を経由して流出するケースが多く、秘密保持契約を厳格に運用すべきだ。品質監査時の生産ライン開示のあり方など標準ガイドラインが必要として日本化学工業協会で検討する。退職者を含めた人材を通じた流出対策にも官民で取り組む。
日本の化学産業は石油化学に代表される汎用化学品の競争力低下が避けられず、機能性化学品に活路を見いだす企業は多い。それぞれの化学企業の戦略が問われることになるが、多様なサプライチェーンが入り乱れる化学では、"競争と協調"を追求しながら、産業としての底上げも重要となる。