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食品添加物の価値再認識する機会を
2012年度に厚生労働省の実施した食品添加物の一日摂取量調査で、日本人の摂取している保存料と着色料の実態が明らかになった。これによると、摂取量は毎日食べても安全な量を示す一日摂取許容量(ADI)を大幅に下回り、「特段の問題がない」と報告している。添加物を使用しないことが人に優しいとする加工食品、飲料や調理メニューが消費者に一定に受け入れられているが、この報告は安全性の確認された添加物が食品の価値を高め、食品産業の損失を減少させることに貢献していることを再認識するよい機会になるといえる。
加工食品、飲料や外食メニューで見かける「無添加」を表示する多くは、保存料や着色料の不使用を強調している。すべてに当てはまらないかもしれないが、根拠のない風評に便乗し、健康的で自然な食材を流通させているかのように振る舞う業者は、安全性が認められている保存料、着色料さえも不使用を打ち出してビジネスを行っているとも言えるだろう。
一日摂取量調査は、10種類の保存料と14種類の着色料を対象に行われた。国立医薬品食品衛生研究所、地方衛生研究所が参加し、マーケットバスケット方式によって添加物表示がある食品中の添加物含有量を調べ、食品を食べる量を計算し合計した値から一日摂取量を算出した。その結果、1日・1人当たりの保存料ソルビン酸(その塩類含む)は5・951ミリグラム、同じく着色料食用黄色4号は0・224ミリグラム、赤色3号は0・004ミリグラムなどである。
分析による摂取量と、国際的な添加物の安全性評価を行うFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)のまとめた体重1キログラム当たりのADIに基づく、1人当たりの許容量割合(ADI比)を計算すると、ソルビン酸0・41%、食用赤色3号0・14%などすべての調査対象添加物が1人当たりのADIを下回り、非常に少ない。国際的に安全性が認められるまでには、長年の研究と詳細な評価データから科学的根拠に基づき専門家が判断したものだ。
将来、食料危機が世界を襲うといわれるなかで、添加物不使用を差別化商品・サービスにする業者がいることは残念である。有用な保存料の不使用ビジネスモデルが広がると、食料原料ロス、利用エネルギーや二酸化炭素を増やし、日本経済の損失につながることになる。食育のためにも、国は食品の腐敗や食中毒の防止に役立っているという情報発信を通じて、添加物の社会的役割を浸透させる取り組みをもっと推進すべきだ。根拠なき風評への便乗を減らす社会の実現を進めてもらいたい。