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より厳しさが必要な独禁法違反防止態勢
価格カルテル、入札談合、受注調整など独占禁止法違反事件が後を絶たず、2008年度から5年連続で課徴金額250億円以上と高水準で推移している。独禁法違反は公正かつ自由な経済活動を阻害、国民生活に広範な影響を与える。市場規模の大きい製品ほど課徴金も大きく、経営の根幹に打撃を与えかねない。企業はコンプライアンス態勢をより徹底、独禁法違反の撲滅に取り組んでほしい。
公正取引委員会の発表によると、年度に法的措置を講じた独禁法違反は20件。08年度から増加傾向が目立ち年間12-26件で推移しているが、これに伴う課徴金は、10年度には721億円まで膨れ上がった。11年度から2年連続で前年比減少しているものの、いぜんとして企業の法令順守に課題を残していることを物語っている。
12年度の内訳は、受注調整(民需)15件、入札談合(官公需)4件、価格カルテル1件。主な受注調整は建設工事向けのEPS(発泡スチレンブロック)、自動車メーカーが発注するオルタネータ、ワイパーシステム、ヘッドランプなどの自動車部品が排除措置命令を受けた。
12年度の法的措置の中で社会的影響が大きかったのは、国土交通省四国地方整備局による官製談合事件。発注者職員は未公表情報を教示しており、公取委は入札参加業者のみならず、発注側にも再発防止策を講じさせる必要があるとして国交省に改善要求を行った。
ベアリング製造販売業者3社7名による価格カルテルも注目された。対象製品は産業機械や自動車全般に広く用いられ、市場規模は年間2600億円に達する。刑事告発が行われ、今年3月に課徴金総額134億円の納付命令が出された。市場規模の大きい製品ほど課徴金が巨額になるだけに、コンプライアンス経営の重要性を改めて認識させたといえるだろう。
一方で、中小事業者などへの優越的地位の乱用も過去最高となった。公取委は未然防止の観点から調査を行うタスクフォースを設置したが、12年度は大規模小売業者やホテル・旅館などに対して件の注意を行った。また中小事業者に不利益をもたらす不当廉売行為に関しては、酒類、石油製品、家電製品などを対象に1736件の注意を行い未然防止に努めたという。
談合や価格カルテルを行う動機として、購買や発注側の優越的地位の乱用に対する防衛という側面があったが、経済活動のグローバル化もあって一段と厳しい法令順守が必要な時代を迎えている。経営環境変化に対応して、トップ主導でコンプライアンス態勢を日常的にチェックすべきである。