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山口信夫旭化成前会長の座右の銘
旭化成の歴史を振り返るとき、欠かすことのできない3人の経営トップがいるという。創業者の野口遵、中興の祖と称される宮崎輝、そして山口信夫前会長である。この故山口さんの生涯をたどった『"一隅を照らす経営"を貫いた旭化成会長・日商会頭 山口信夫』が刊行された▼目次のとおり、波瀾万丈の生涯である。「ふるさと 広島」「陸軍士官学校・シベリア抑留」「旭化成入社前後」「秘書と総務でうけた経営者教育」「住宅事業を収益の大きな柱に」「事業の選択と集中を進めた会長時代」「中小企業のために戦った日商会頭」▼旭化成のホームページをみると、「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」と事業群がすっきりしているのが分かるが、これは選択と集中を進めた山口さんの功績と言える。経営の多角化を積極的に進めた前任会長の宮崎氏の路線を修正し、高収益会社への道を選んだ▼山口さんは"一隅を照らす"という言葉を好んだ。"一隅"の意は、自分自身が置かれたその場所。社員一人ひとりが各自の持ち場で全力を尽くし周りを照らすことで、会社全体が明るくなる。会社の宝とは、周りを思いやる心豊かな人材だという考えだ▼「企業は人なり」「もの作りは人づくり」と並ぶ名言として心に留め置きたい。