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出雲、伊勢の遷宮と日本のものづくり
今年は出雲大社と伊勢神宮の遷宮が年ぶりに重なった。出雲大社では、ご神体が仮の住まいから本殿に戻る遷宮のクライマックス「本殿遷座祭」が10日に行われた▼出雲大社の遷宮は不定期で、60-70年おきだが、伊勢神宮は20年に一度、同じ形の社殿を造り替える「式年遷宮」。690年に始まり、戦国時代などに中断や延期はあったが、今回は62回目と長い歴史がある。大御神が本殿から神殿へ移る10月の「遷御」に向けて祭典と行事が続く▼式年遷宮の始まった時代には、法隆寺が建造され技術的には永久的建造物が造れた。あえて20年ごとに新築する目的に技術の伝承がある。それは建築技術だけでなく装束、神宝も古式に則り新しく作り替え、太刀や鏡など優れた技術を後世に残した▼国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)でリニューアルした第4展示室は、生活のなかで生まれ、根付いた「民俗」がテーマ。日本人の暮らしを支え、自然災害の脅威から守る道具が数多く展示されているが、まさに工芸品レベルだ。7月2日から開催される企画展示「時代を作った技‐中世の生産革命」も楽しみだ▼世界に冠たる日本のものづくりが危機にある。技術の優劣が付きにくいデジタル化対応の遅れもあり"失われた年"の軌跡とも重なる。ものづくり復権は時間との闘いでもある。