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ASEAN市場獲得に戦略的挑戦を
中国経済の成長鈍化と人件費などコストアップ、より顕在化した反日感情もあって、ASEAN(東南アジア諸国連合)への関心が高まっている。安倍首相は最初の外遊先にベトナム、タイ、インドネシアを歴訪したほか、産業界は"チャイナ・プラス・ワン"に向けてASEAN投資拡大が目立つ。生産拠点のみならず、着実に成長する消費市場としても無視できなくなっている。
ASEAN10カ国の名目GDP(2011年)は2・14兆ドル、中国の7・30兆ドルに比較すると約3割の規模に過ぎない。しかも多様な民族、宗教で構成され、1人当たりGDPも大きな格差がある。ASEANは一口で括ることが難しい"モザイク国家群"だ。
製造業、サービス業を問わず、日本企業のアジア戦略は中国中心に展開してきた。今後も優先順位の高い投資先であることは変わらないだろう。ただ、政治経済の両面で急激な構造変化が進み、過度の中国集中に警戒する動きも表面化している。
中国集中見直しのなかで浮上しているのがASEANだ。安い生産拠点を求めてベトナムやミャンマーなどに労働集約型産業の投資が進んでいる。もう一つの流れは、中間層の拡大による消費市場としての関心である。ただ1人当たりのGDPで日本を上回っているシンガポールを除いても、1万ドルを超えたマレーシアから1000ドルに満たないカンボジア、ミャンマーまで格差が大きく、民族や文化も多くの違いがある。このモザイク市場に対応したマーケティングが求められる。欧米や東アジア企業もASEAN市場の可能性に着目して投資を拡大、競争激化を覚悟せざるを得ない。
ASEAN市場戦略を考えるうえで、野村総合研究所の行った調査は参考になりそうだ。マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー5カ国で最も豊かな都市で実施した。日本商品やサービスは、いずれの国でも存在感が大きいことが明らかになったが、タイでは韓国、ベトナムとミャンマーでは中国の影響力がトップである。
このほか、価格に関連する消費者意識、認知のきっかけや購入の決め手となる情報源などは所得レベルや文化によって違うという実態も浮かび上がる。各国の特殊性を踏まえたきめ細かな事業戦略が必要となる。この点で、韓国企業がタイを重視して集中的に投資していることは見習うべきだろう。
一方で、モザイク市場でも一定の法則性があるというのが野村総研の分析だ。「消費成熟に焦点を当てる」「特定国での経験を次に生かす」戦略が重要になると指摘している。