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電車の中の諍いと功利主義とベンサム
その諍いは3月の中旬、季節はずれに暖かい日の帰宅ラッシュの電車の中で起きた。「だめだよ、勝手に窓を開けちゃ。閉めてくれ」「でも、こんなに蒸し暑いから」「だったらコートを脱げばいい」「みんなも暑いに決まってる。開けたほうがいい」「だめだ。花粉が入ってくる」「花粉、なんだそんなもの。嫌だったら、マスクをすればいい」「花粉症がどれだけつらいか。花粉症の人はみんな開けないでほしいって思ってるよ」▼白熱教室でおなじみ、ハーバード大のサンデル教授がこの場にいたら、どう裁定するだろう。お得意の功利主義がでてきそうである。ベンサムが確立した功利主義は、"道徳の至高の原理は苦痛に対する快楽の割合を最大化すること"と主張する。快楽の数量化が前提だ▼(暑さが解消される度合い)×(人数)と、(花粉アレルギー症状が抑えられる度合い)×(人数)の比較によって勝負がつくことになる。ただこれには、快苦には質が伴い、単純な数量化はできないという反論があるだろう▼ベンサムといえば、自分の死後の遺体の処分をめぐっても功利主義を貫いた。解剖学に供するという選択肢を退け、肉体の防腐保存を望む。未来の思想家にインスピレーションを与える方が効用大であると。だから今も、ロンドン大に行けば、ベンサムに会うことができる。