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日中経済関係こう着打開の努力を
昨年9月の日本政府による尖閣諸島国有化を契機に激化した中国の反日デモは、表面的には沈静化したが、日中のパイプは目詰まりを続けている。日系自動車の販売回復など好転の兆しはあるものの、火種は残ったままで、日本企業の中国戦略は慎重姿勢から脱していない。対中輸出減による国内生産への影響も広がっている。日中の経済関係の重さを考えると、このまま放置することは許されない。
先ごろ開催された富士通総研の特別コンファレンス「新たな日中関係の構築‐同床異夢でなく呉越同舟の関係を‐」の冒頭、丹羽宇一郎前中国大使は、中国の首脳交代を控えた時期の尖閣国有化は時期尚早と反対したことを明らかにするとともに「問題発生後、中国政府の要人にアポイントを申し込んでも居留守を使われてきた。このような事態は現在も続いているようだ」と発言、改めて日中対立の根深さを指摘した。
尖閣国有化に起因した日中対立に対し、当初は2010年の中国漁船衝突事件がレアアース禁輸に発展したような深刻な事態には陥らないだろうという見通しが大勢だった。しかし中国が習近平体制に向けた政権交代を控えていたこともあって、当時の胡錦濤国家主席が野田首相に激しく抗議するなど、想定を超える反発を招いた。この間の経過については改めて検証することが求められるだろう。
反日デモの影響だけではないにしても、12年の対中輸出額は前年比9・6%、約1・5兆円減少した。加えて産業連関表に基づく経産省の試算では、国内生産誘発額を約3・2兆円、付加価値額を1・2兆円減らしているという。
反日デモは影を潜めているが、突発的事件で過激化する懸念を抱えている。日本側にも今春のPM2・5など環境汚染被害、鳥インフルエンザなどから嫌中意識は根深く存在する。一方で、習近平国家主席は「ボアオ・アジアフォーラム」において、輸入による中国経済の構造改革に取り組む姿勢を明らかにするなど、対日関係に潮目の変化を感じさせる発言もある。中国の民間エコノミストは、これからも日本企業の投資が中国経済に必要という発言が多い。
日本企業は過度の中国依存度を修正し、ASEANなど着実な成長が続く地域向け投資を増やす方針に転じている。とはいえ「中国抜きのグローバル戦略はありえない」。化学企業も含めた経済界の本音だろう。
尖閣諸島問題の解決は容易でなく長期化せざるを得ない。わが国の領土であることを堅持しながら、こう着している日中関係の打開が安倍政権には求められている。