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【連載(下)】無機薬品原料 中国産鉱物の実態
[資源確保へ囲い込み]
コスト優位の外国産狙う
採掘業者の多くが中小企業で占められている背景などから、他国の鉱物と比べて突出した高値を付けている中国産の無機薬品原料鉱物。中国の輸入統計をみると外国産鉱物も積極的に輸入しており、その量が年々増加している現実も浮かび上がる。世界的な鉱物の産地でありながら輸送コストをかけてまで外国産を利用している背景には、自国資源の温存と外国資源の囲い込みを図り、資源獲得競争で優位に立とうとする中国側の戦略がみえてくる。
※蛍石など輸入量増加※
中国の輸入統計をみると、無機薬品の原料となる鉱物は2011〜12年にかけてリン鉱石を除き輸入量が増加傾向となっている。バリウム塩類の原料となる重晶石では韓国やドイツ、蛍石ではモンゴルや北朝鮮、マンガン鉱ではオーストラリアや南アフリカと供給元は幅広く、対象となる国や輸入量は毎年大きく変化してきている。今年に入ってからは1〜2月の輸入量が前年同期と比べて総じて増えており、年を通じて拡大すると予想されている。
自国の内需に十分対応できる鉱物資源があるにもかかわらず、輸送コストをかけてまで外国産の輸入を増やしているのにはいつくかの理由が考えられる。上げ基調となっている中国品の価格に比べて外国品の方が安く調達できること、またオーストラリアなどから電池用の高グレード品の輸入が増えているマンガン鉱のように、特定の用途で自国品が使えないため外国から手当てせざるを得ないといった背景もある。
中国品とそれ以外の国で採れた鉱物の間で値差が広がってきており、現地需要家が外国品を求めるようになる可能性が一層大きくなっている。
※新興国の開発に意欲※
こうした要因に加えて、中国ではこれまでに輸出で稼いできた外貨で外国の鉱物資源を購入するケースが増えてきている。蛍石などでは「隣国のモンゴルにある鉱山プロジェクトに中国企業がかかわり、採掘された玉が中国品として提供される例がある」(市場関係者)。コストメリットが高い外国資源を囲い込むのが狙いだ。
11年にカザフスタンのリン鉱石開発で中国のシノケムグループとカザフスタン・リン鉱石公社が戦略提携を実施した際、胡錦濤ら当時の首脳が自ら調印式に出席したことからも、中国の資源確保に対する力の入れようが分かる。今後も中国は資源ポテンシャルの高い新興国などを中心に鉱物開発を進めていくとみられる。世界で繰り広げられる鉱物資源の獲得競争において、有利な立場をとろうとする姿勢を強めていくことは確実。鉱物資源の世界で中国の存在は引き続き波乱要因として目が離せない。
(了)
【写真説明】中国産蛍石