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2013年04月04日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載(上)】無機薬品原料 中国産鉱物の実態

[採掘製錬 中小が大半〕
コスト上昇、値上げに動く

 日本の無機薬品業界は、原料を中国産鉱物に依存している。ここにきて無機薬品市況が上げ基調にあるのは、中国産鉱物の市況が大きく影響している。人件費や輸送コストの上昇などが要因とされ、国際市況が下げ基調にあるにもかかわらず中国産だけが上昇する鉱物も出始めた。中小企業が大半を占める採掘製錬業の構造や中国当局による資源戦略などが背景にある。(?橋芙由美)

※国際市況は下げ基調※
 中国は無機薬品原料の鉱物資源を豊富に持つ一方、世界最大の鉱物消費国でもある。そのため中国の鉱物市況は現地の需要動向に合わせて大幅な上下を繰り返しており、日本はその動向に振り回されてきた。「前触れもなく値上げを知らされることもあり、その度にはらはらする」(輸入業者)と、対応にとまどう一幕もある。
 昨年は世界的に需要が停滞していたため価格も年間を通じ軟化していたが、今年に入ってから様変わりしつつある。肥料などに使われるリンは、中国以外の国で採掘される鉱石の供給増加を受けて国際市況が下げの見通しとなるなか、中国では人件費や輸送コストの上昇を理由に値上げがアナウンスされている。
 この影響で日本へのリン鉱石輸入価格(1トン当たり)は2011年の平均価格から5割も上昇する見通しとなっており、蛍石など他の鉱物でも同様の動きをみせている。いずれの原料鉱物も1―2年前の約1―5割高となる見通し。いぜんとして中国の需要は回復していないが、現地企業は値上げに対し強気の姿勢をみせている。いずれにせよ価格は値上げ以前の低水準に戻らないだろうとの見方が大半を占めている。

※危うい需給バランス※
 中国の鉱物市況が高水準で推移しているのは、現地採掘業が中小企業で成り立っていることが要因の1つとなっている。年初頭の中国における蛍石やリン鉱石など6種の無機薬品原料鉱物「化工鉱産」の採掘企業規模別分類をみると、小型企業および小型鉱山が占める割合が82%となっており、中小企業が供給を下支えしていることが分かる。中国内外の需要の縮小で鉱物市況が弱含んだ場合、「中小企業は採算が合わずに撤退・統合などが進み、ボリュームゾーンからの供給は間違いなく減る。そうなると中国産鉱物の需給バランスが大きく崩れ市況が暴騰する可能性もある」(市場関係者)という危険をはらんでいる。
 その中小企業は年々上昇する人件費やエネルギー関連などのコスト増に苦しめられており、安定供給のためにも値上げを実施せざるをえない状況となっている。そのため無機薬品原料となる鉱物市況は当面下がることはないだろうとみられている。
(了)


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